【特殊逆トリップ設定】

刀剣乱舞の鶴丸国永特殊逆トリップ話。
麻衣ちゃんは20代前半の女の子。
高校の頃に死んだ父親が実は借金していた事を知り、進学を諦めて就職。
母親と一緒に何とか月々お金を返しつつ、どうにか生活していたけれど母親が事故死。
母親の保険金で借金を返す事は出来たけれど麻衣ちゃんショックで精神ボロボロ状態です。
元々父親が黙って借金していた事も麻衣ちゃんの中では裏切られていたという思いでした。
それでも、母親と一緒に何とか力を合わせて生きて行く事だけを考えてた。
辛い思いに蓋をして必死に仕事してバイトもして・・・
それもこれも全部母親のためです。
唯一の家族のために、遊ぶ事もせずに働いていました。
でもその麻衣ちゃんの支えだった母親が死亡。
もう泣き過ぎて涙も出ない状態です。
そんな生きる気力皆無状態の麻衣ちゃんは仕事もバイトも辞めてしまい、部屋に篭りがちに・・・
はい、そんな状態の麻衣ちゃんの元に鶴丸トリップしてきます。





何もする気が起きなくて、ベッドに伏せるだけの日々を送っていた麻衣ちゃん。
その日も気付けば寝ていたらしく、目が覚めた時には部屋の中は真っ暗。


(今、何時だろう?ご飯作らないと・・・・・でも、何も食べたくない)


再び枕に顔を埋めて目を閉じれば、思い出すのは母親の姿。
仕事してバイトしてという生活で、擦れ違うような事も多かったけれど時間が合う日は必ず一緒に夕飯を食べていた。
でもそれももう一人。
借金は無くなったけれど、代わりに自分は一人になってしまった。
そう考えると麻衣ちゃんはどうしても何かをする気力が湧いてきませんでした。
いっその事自分も母親の元にいってしまおうかとすら考えてしまいます。
しかしその時、自分しかいないはずの暗い部屋の中で微かな物音が・・・


(・・・・・・・・何?)


明らかに人為的な音。
麻衣ちゃんはどこかぼんやりとした頭を起しつつ、部屋の電気をつけます。
すると部屋に居たのは赤ん坊。


(えっ?何で赤ちゃんが?)


ぼんやりした頭ではいくら考えても理由なんてわかりません。
ドアも窓も全部鍵をかけてるはずだし、間違って迷い込んできたなんて事はありえないはず。


(・・・・・・・・・・ついに私おかしくなったのかな?)


ジッとこちらを窺うように見る赤ん坊と視線を合わせたまま動かない麻衣ちゃん。
お互い黙ったまま動きません。
でもいつまでもそうしてたってしかたない。
幻覚ってこんなにリアルな感じなのだろうかと、麻衣ちゃんはそっと赤ん坊に近づきます。
そしてゆっくりと抱き上げればじんわり伝わってくる体温。


(っ・・・・)


瞬間、喉の奥がひくついた。
じわりじわり伝わってくる、久しぶりに感じる自分以外の体温。
自分よりはるかに小さいはずなのに、こんなにも温かい・・・
たぶん麻衣ちゃん、ここで色々な感情がごちゃごちゃになって大泣きしちゃいます。
赤ん坊抱きしめたまま声を殺すことも出来ずに泣き始めちゃうんですよ。





はい、まぁお察しの通りこの赤ん坊と言うのが刀剣男士、太刀の鶴丸国永様です。
自分の部屋で寝ていたはずが、気付けば見知らぬ暗い部屋。
しかも己の体は赤ん坊になっていて驚き通り越して大パニックです。
さらにパニックから傍にあった物を倒してしまったらしく、その音で部屋に灯る明かり。
敵かと一瞬にして警戒する鶴丸。
しかし視線を向ければまだ若い女が一人。
歴史修正主義者かと警戒心を強めてみたが、どうにも様子がおかしい。
まず殺気も戦意も感じないどころか、空気が明らかに一般人。
視線はあっているはずなのに、どこかぼんやりとしていてしっかりと掴めない。
酔っているにしては酒の匂いもしないし、どちらかと言うと病人のような線の細さと雰囲気。
鶴丸がそう判断していると、ゆっくりと近付いてくる目の前の女。
伸ばされた腕に反射的に体を固くさせるが、次に感じたのはそっと自分を抱きしめる腕の温もり。
その優しい手付きと体温に、直感的に「あぁ、これは敵ではないな」とか思っちゃう鶴丸。
でも自分を抱き上げた麻衣ちゃんは突然縋るように自分を抱きしめたまま泣き始めてしまってビックリ。
震える体に、悲しみが滲んだ声。
肩口に感じ始めた涙の湿り気に、何となくだけど麻衣ちゃんがギリギリの精神状態でいたことを察した鶴丸。
本丸ではビックリおじじとして色々な驚きを提供していても、平安時代出身の刃生経験が豊富なお方ですから思いやりも察する事も出来ます。
でも今の自分の体じゃ慰めるどころか抱きしめ返してやる事も出来なくて・・・
ただただ壊れたように、堰を切ったように泣き続ける麻衣ちゃんが早く泣き止んでくれる事を願ってたりね・・・



はい、そんな感じの出会い編。
結局その日はそのまま麻衣ちゃんはいつの間にか寝ちゃって、だからつられて鶴丸も寝るしかなくて・・・
次の日、麻衣ちゃんが目を覚ませば変わらずそこにいる赤ん坊の姿。
現実なのか、自分の頭がおかしくなって見せてる幻覚なのかいまいち判断が出来ない麻衣ちゃん。
でも触れば温かいし、手を握る等の反応も返してくる。
現実っぽいんだけど、ならこの赤ん坊はどこからやって来たのかという疑問に行き当たる。
改めて確認してもやはり鍵はちゃんと全部閉めてあるし、置き去りにされたか迷い込んできたにしては経路が不明。
それこそパッとこの部屋に現れたぐらいしか考えられない。
ならやはりこれは自分の脳が見せてる幻覚かと思わずにはいられない。
それでも目の前の赤ん坊は消えなくて、そして触ればやはり生きてる温かさを感じる。
自分より小さくて弱い存在。


(・・・・・・・・・あぁ、もう、幻覚でも何でもいいや)


赤ん坊を抱き上げてキュッと抱きしめる。
自分が守ってあげなければ、という気持ちが湧いてくる。
そして何よりも、この温かさを手放したくないという想いに縛られる。
自分一人だった部屋に現れた小さくて温かな存在に、麻衣ちゃん縋ってしまうと思います。



一方鶴丸は、何も出来ないまともに喋れない赤ん坊の体にちょっと絶望。
実体がある分ただの刀だった時とはまた違います。
ここがどこか分からないし、改めて周りを見ても自分の本体である太刀も見当たらない。
こうなった原因も分からないし、元の姿に戻る方法も本丸に戻る方法も分からない。
正直この目の前の人の子に見捨てられたら終わりだなこりゃぐらいには思ってる。
でもそれよりも、前日見せた今にも折れてしまいそうな麻衣ちゃんの様子が気になっていたり・・・
そして今がどういう状況下で、目の前の麻衣ちゃんがどういう思考の末に判断したかは分からないがどうやら追い出される様子も無いし、暫くはこの人の子に世話になるかって感じに落ち着く。
まぁそんな感じで二人の奇妙な生活が始まったりね・・・



その後は、もちろん赤ちゃんを育てた事なんてない麻衣ちゃんは四苦八苦。
久しぶりにパソコン起動して色々調べたり、食事や買い物をしたりと大忙し。
手探り状態で進む生活だけど、それでも新たな生きがいが出来た感じ。
食事を食べてくれれば嬉しくなるし、寝てる姿を見れば癒される。
きっと麻衣ちゃんは鶴丸が可愛くてしかたがなくなると思います。

鶴丸は鶴丸で知識では知っていたけど始めて見る物に大興奮で興味津々。
でも当然赤ん坊なので好奇心のまま動く事も出来ないし、お風呂とか全部麻衣ちゃんに世話してもらわなければならない事に気付いて内心「・・・こういう驚きはいらないんだが!」とか思ってたりする。
それでも自分の事を一生懸命世話してくれようとする麻衣ちゃんに悪い気はしないしどこか微笑ましい。
それに初めは心が死にかかっていたような麻衣ちゃんが徐々に元気になる姿を見るのは素直に嬉しく感じると思います。



でもまぁ鶴丸がいなくなった本丸は大騒ぎだよね・・・
ある日朝餉の席に全然姿を見せない鶴丸の様子を見に部屋に行けば、本体のみポツンと残されてるとか意味不明ですねホラーです。
また何かの驚きかと本丸中を皆で探しても見つからないし、そもそもこんな質の悪い驚きはされた事が無い。
そこの本丸はベテランの男審神者さんで、刀剣も全部揃ってて練度も高いようなホワイト本丸。
政府の担当さんに連絡をとって捜索をしてもらいつつ、皆心配してると思います。


はい、この妄想でいくとこの先のストーリーは二種類ですかね!
一つは何だかんだで鶴丸を面倒見ていくうちに麻衣ちゃんが元気と生きる気力を取り戻すパターン。
それまで父親の死に借金、仕事で多忙な日々の末に心の支えの母親の死・・・
正直麻衣ちゃんが何したんだよってくらいの不幸の連続。
だから久しぶりに間近で感じた『生』に凄く感化されると思う。
このパターンの場合、麻衣ちゃんがもう一度頑張ろうと生きる気力を取り戻した頃に鶴丸は自然と本丸に戻って消えちゃいます。
始めこそ家中を探したりしますが、「やっぱりあの子は私が見てた幻覚だったのかな・・・」とかストンと飲み込んじゃいます。
無意識のうちに死に憑りつかれておかしくなっていたと自覚はあるし、それから抜け出せたのは幻覚でも何でもあの子のおかげなのは変わらない。
そんな感じで、絶望無気力女の子が救われるお話。

その後審神者の能力が開花してて自分の本丸を持ってもいいかもね、ちょうどこの子無職だし
でもこの場合、たとえ麻衣ちゃんの本丸に鶴丸が顕現しても気づかない。
麻衣ちゃんは赤ちゃんイコール鶴丸っていう発想が無い、似てるなぁとか思う段階にも無い。
鶴丸は赤ちゃんになった鶴丸とは別の分霊さんなのでそもそも知らない。
「あぁ、この主には別の俺の加護がついてるな」とか気づいたりするけどそれだけ。
その後恋愛になるかとかはお二人次第です。
しかしその場合、麻衣ちゃんの鶴丸は恋心を自覚後に麻衣ちゃんについてる加護にだんだんモダモダする。
どういう経緯でとか、その加護をつけた俺とはどういう関係だったのかとか聞きたいけれど聞けないって感じでモダモダ・・・
まぁ聞いたところで麻衣ちゃんには何のこと?状態。
だって自分に加護がついてる事も、そもそも赤ん坊イコール鶴丸って事も知らないからね!
鶴丸一人ウダウダ考えちゃうとか、頑張れとしか言いようがないね!




んで、もう一つのパターンは鶴丸が本丸に突然帰ってしまった後、また無気力に泣き暮れていた麻衣ちゃんが今度は本丸にトリップしてくるお話。
どうしよう、さすがに男所帯に赤ちゃんではあれだから麻衣ちゃんは3〜4歳くらいの姿でトリップしちゃう?
突然知らない場所、某少年探偵のように縮んでいる体、そして突きつけられている刀。
急に現れた麻衣ちゃんに、偶然その場に居合わせた数人の刀剣男子達も警戒します。
まぁ鶴丸失踪事件の直後だったのだから仕方ない。
しかし「お前は何だ」「どうやってここまで入ってきた」とか問われてもわからないのは麻衣ちゃんも同じ。
初めて向けられる刀と殺気、それに見た目に引き摺られて少し幼くなった心は大決壊。
大粒の涙をボロボロ零しながら声を上げて泣く麻衣ちゃんに、さすがに刀を突き付けていた方もタジタジ・・・
どうするかと眉根を寄せていた所に、泣き声を聞きつけてダッシュでやってくる鶴丸さんよ。
幼くなっていても感じる霊力は、赤子姿になった自分をずっと守り育ててくれた彼女のもので間違いない。
今度は俺の番だなと、泣いてる麻衣ちゃん抱き上げて「もう大丈夫だぞ!」とニッと笑みを浮かべられれば赤ちゃんイコール鶴丸とわかっていなくても懐くのは必須じゃないですかね?
まぁその後、自分が育てていた赤ちゃんが目の前の儚い系イケメンだと知り驚愕し、さらに人間ではなく付喪神だと知りある意味納得も出来るがやはり絶句するのではないかと・・・
んで本丸側も話を聞けば鶴丸が「俺の恩人だ!」とか言うし、御神刀様方も「害は無い」との事なので保護する事が決定。
でもそれから暫くの間は麻衣ちゃん、鶴丸にピッタリくっついて離れないと思うよ!
刀&殺気はちょっとトラウマものですからね、慣れるまでは「まるで雛のようだな」とか三日月が言うくらい鶴丸の後をついて歩くと思います。
むしろ喜んで鶴丸が抱っこで連れ回します。
俺の!恩人が!こんなにも!可愛い!!!

ん〜このパターンも恋愛になるかとかはお二人次第ですかね?
麻衣ちゃんはその後元気になった頃に戻ってもいいし、そのまま帰れずに本丸で成長していずれ引退する審神者を引き継いでもいいと思う・・・


どの結末になるにしろ、苦労した分麻衣ちゃんは幸せになればいいよ!

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