どんまい、サスケ! 2

下忍説明会の次の日に行なわれたサバイバル演習。
3人の内確実に一人はアカデミー送りになるというカカシのその説明に、俺は希望の光を見た!
これだ!これで奴らから離れられる!!!
ナルとナルトの実力を考えれば、落ちるのは十中八九俺で間違いない!

恥?

そんなものは命の危機の前には紙屑も同然だ!
そんなくだらない物は掃いて捨ててしまえ!!!

とにかくこれでナルの嫌がらせのレベルを遥かに超えた攻撃から逃れられる。
適当にカカシに喰って掛かって、適当に返り討ちにあおう!
それで俺の命は安泰だ!!!

その一心で繰り出したカカシへの攻撃。
日々のやつ当たりも兼ねて本気で投げた手裏剣とクナイは、やはり腐っても上忍であるカカシには避けられた。
だがこれでいい!
計画通りだ!!

しかし・・・・・
自分の思ったとおりに事が運ばないのが人生だ。
俺の攻撃を避けて体勢を崩したカカシに襲い掛かる2つの影。
受身も取れずに木々を薙ぎ倒して吹き飛ばされるカカシを唖然とした表情で見送る。
倒れる木々、崩れ落ちる岩の音が止んだその時、チリンッと響く鈴の音。
視線を向ければ満面の笑みのナルトと、口端を上げているナルの姿がそこにはあった。


「やったってばよーーー!」


そう呑気に喜ぶナルトの横で、ナルが俺へと笑みを向けてくる。
ビクッと反射的に肩が揺れた俺を誰が責める事が出来る?
俺は続くナルの言葉に言葉を失った・・・


「さすがサスケ!見事な援護ありがとう!!!


・・・・・・は?

今まで見た事が無いほどの笑みを浮べるナル。
言葉を紡げない俺の様子など一切気にせずにナルは言葉を続ける。


「3人のチームワークは完璧だね!
サスケの陽動があったからこそ、私とナー君で鈴を取る事が出来たんだよ!
作戦通りだね!!!


作 戦 っ て な ん だ ? !

そんな話は全く聞いていない。
それ以前に俺の攻撃などなくてもナルだけでカカシから鈴を取るなんて容易いだろうに・・・
そんな俺の疑問が解消されたのは、口元の血を拭いつつよろよろとやって来たカカシに「3人とも合格だ」と言われた瞬間だ。
忍にとって大切なのは仲間だと咳き込み吐血するカカシに言われ、全くその通りだと同意したいのに素直に頷く事は出来なかった・・・


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