どんまい、サスケ! 9

中忍試験を終え、俺は新たに学んだ事がある。
多くの犠牲を伴った試験だったが、その分得た物も確かにあった。
あの過酷な状況下で感じた事、そしてこれからも七班としてさらに高ランクの任務を行なっていかなければならない現実を直視して思った事・・・

医 療 忍 術 の 重 要 さ だ !

正直あの二人とこの先任務を普通に行なっていては命がいくつあっても足りない。
そこで文字通り死に物狂いで考えた末に辿り着いたのが医療忍者の存在。
あの過酷な試験の最中、何度傷に倒れる者を目にした?
今回の試験では幸いにも俺は軽傷で済んだが、これから先中忍として行なっていく任務の中でもしあれほどの大怪我負ったとしたら?

間違いなくそのままお終いだ。

さらに、聞けばナルもナルトも医療忍術の知識は全く無いという。

ナルには「怪我何て私がするわけないしー!プップー」と鼻で笑われた。
ナルトには「九ちゃんが体の中から治してくれるってばよ!」と笑顔を向けられた。

とにかく、あの二人には医療に関する知識は必要ないと判断されており、ナルにいたっては身につける気もないと断言された。
つまり、例え俺が大怪我を追って医療忍術を必要とする場面になったとしても二人に期待は全く出来ないという事だ。
・・・痛みに呻き苦しみ死んでいく自分がリアルに想像出来た。

そういった時のためにも、俺は何が何でも医療忍術を身につける必要がある。
さらに言えば、スリーマンセルの役割において医療忍者は主に補助。
医療忍者が怪我を負えば治療する者がいなくなるためだ。
まぁあの二人が治療を必要とする場面になるとは全く思えないが、それでも役割上俺は補助に回れる。
死亡フラグ回避の為にも、俺は死ぬ気で医療忍術を得とくしなければならない。


そこで頼み込んだのは、ちょうど五代目火影となるため里に戻ってきた医療スペシャリストとしてその名を轟かす綱手。
何故この時期に火影の交代となったのか・・・
それは育児休暇を理由にいつまでも休んでいる四代目の代わりをしていた三代目が、今回のナル達の件でとうとう手に負えないと根を上げたからだ。
綱手は二人とそれなりに親しいらしく、とくにナルトがよく懐いているらしい。
そこを三代目火影に目を付けられ、ナルトたっての希望にもより里に戻って来る事が決まったのだ。

スリーマンセルに医療忍者を加えるスタイルを考案したのは綱手であり、大戦時代は並ぶ者のない戦闘術と医療忍術で木の葉に貢献した人物。
俺は縋るような思いで綱手に弟子入りを志願した。

これを断られれば俺の命は無い・・・

その一心で頼み込めば若干引き気味の様子だったが了承を得られた。
そしてそれからは毎日のように俺は魚相手に医療忍術を施したり、薬草などの知識を頭へと詰め込んだ。
それもこれも無事に生き抜くため・・・



気付けば俺の医療忍者としての地位は揺るがないものとなっていて、いつの間にか新たな医療忍者育成の立場にまでなっていたのはもう少し先の話しになる・・・・・


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