冷たい空気が僕を刺す。
誰か僕をはじめから作り直してはくれないだろうか、なんてありもしない事を考える。絡まってほどけない僕を、はじめからバラバラにしてくれたら。

昨日無くした未来と、今見える未来は、どれほど違うというのだろう。多分、それほど変わりはない。だけれどあの時欲しがった未来は、あの時の僕にしか見えていなかった。今の僕がそれを手にしても、それは違う僕が手にするはずだった未来に過ぎず、今の僕は満足出来ないのだろう。

君が微笑んで、僕は少し寂しくなる。君が七つ数え終わった後も、僕の事を忘れないでいてくれたら嬉しい。


ぐちゃぐちゃに絡まりきった僕は、ここが過去なのか今なのかも判別出来ない。この目が映し出す光景が、現在進行形で流れているのか、僕の想像した未来なのかも、分からない。
窓を開けると一層冷たい空気が肌を嬲る。『今』から抜け出して、僕はバラバラになる。
君との約束を果たしに行こう。
もう届かない


 
2011/10/04

back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -