「……ね、」
「何隠れてんだよ、早く入って来い」
「あ、うん、」
艶やかに湿った空気に似合わない事甚だしい、紺色の衣服を纏った君。胸元で赤いスカーフが揺らめいている。着せたは良いがやはり無意味だったかもしれない。早く脱がしたくて仕様が無くて、その細い手首ごと自分の上に倒した。



「……やっぱりさ、変態だよね」
「何を今更」
「開き直んないでよ。セーラー服なんて、馬鹿じゃないの」
「馬鹿じゃなくてこんな要望が出来るか」
「……やっぱ、着替えてくる」
「待て待て待て。なんで」
「こんな馬鹿みたいな格好でしたくない」
「それが良いんだろーが。つうか、そのためだろうが」
「じゃあそっちだって学ランでも着ればよかったじゃん」
「お、ナイスアイデア。確か中学ん時のが……」
「いやいや、いいから。ほんと馬鹿だね」
「は?なんだよお前が言ったんだろ。てっきり制服プレイが気に入ったのかと」
「気に入るもなにも……」
「何?焦れてんですかオネーサン。」
「ば、馬っ鹿……っ!違、っあ」
「お、スカーフ、これ使えるな」
「え、やめ、解いてよ」
「それこそ馬鹿だろ。……なあ、このスカートどうやったら脱げんの」
「知ら、な、」
「んー。まあいっか。脱がすのも勿体ないし。このままで」
「あ、やあ、そこやだ、」
「はあ」
「やだやだ、やだ、ってば」
「何が。俺貧乳の方が好きだから安心しろ」
「っばか……!や、ん」
「、本当にぺったんこだな」
「たりまえ、だ、変態」
「……まーね」
「あ……!そこは、本当に、や、やめ」
「何なんだよ」
「やだやだやだ、今日は、や、やだよ」
「今日は?」
「せっかく……こんな、なのに、さ、やだってば……ああ、っ」


そこに在るのは紛れも無く俺と同じ、それ。紺色のスカートの下には、本来在ってはならない物。君が拒んだ理由だってちゃんと分かってるよ。
「や、ん、ああ」
「な、なんか本当、女の子に入れてるみてえですげー、気持ちい」
「死ね変態……!」
柔らかくないし良い匂いもしないし、女の子とは全然違う、感触。
でも俺は、お前が、世界中のどの女の子よりも可愛いと思うんだよ。あ、本当に馬鹿みたいな発言だ。とりあえず、ぐちゃぐちゃに歪んだ瞳が見たいのでスカーフは解く事にする。溢れる涙を舐めれば砂糖みたいな味に舌が痺れた。

傷つくなんて知ってるよ


 
2010/11/10

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