まずい、と思った時にはもう遅かった。君は既に答えを出していて、真っ直ぐな瞳を私に向ける。その光が耐え切れず、私は目を背けた。

春と秋が好きだ。夏と冬は嫌いだ。紫や灰が好きだ。赤や白は嫌いだ。
曖昧で生温くても、居心地が良ければいいじゃないか。そんな事をぼんやりと考えては、俯いた君の真っ赤な顔を一瞥する。今君が何を考えているのか全て言い当ててやろうとも思う。そして、それに対する私の答えも全て伝えてしまいたいとも思う。君の想いにはずっと前から気が付いていた。でも、気が付かないふりをしていた。だって面倒臭いじゃないか。別に君が嫌いな訳じゃない。だからといって君の事が好きな訳じゃない、ただそれだけだ。

ずっと浸って居たかったこの生温い海も、次に君が口を開いた瞬間に干上がってしまうだろう。俯いて私と目を合わせようとしない君をただずっと見ていた。本当に目を逸らしていたのは私だというのに。

終わってしまうなら始まらなければいいのに

 
2010/09/24

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