【side大気】
部屋に入り、ベッドに亜美をおろす。
「っ」
亜美の瞳が揺らいでいる。
ちょっとコンビニに行って帰ったら、こんなに可愛い亜美がいて…
“にゃあ”なんて鳴かれた日には…自制心が一瞬で崩壊した。
泣かせるつもりはなかったけれど…怯えさせてしまった。
「すみません」
くしゃくしゃと亜美の碧い髪を撫でると、安心したように笑顔を見せてくれる亜美。
彼女の目尻にたまった涙を指でぬぐう。
「大気さん」
甘えるような声で名前を呼ばれて、理性が揺らぐ。
「手、冷たいです」
そう言うと、小さく暖かい手が私の手をきゅっとにぎる。
「そんな事したら、亜美の手が冷たくなってしまいます」
「いいんです」
「駄目ですよ」
そう言うと亜美がふるふると頭を横にふる。
その動きにつられて猫耳も動く。
それがやっぱり可愛くてくすりと笑う。
「?」
不思議そうに上目遣いで私を見つめる。
甘えるような、試されているような、そんな気分になる。
「大気さん?」
何も言わない私に亜美が声をかける。
「猫耳、よく似合ってます」
そう言うと、自分の猫耳をさわる。
「あ、ありがとうございます///」
恥ずかしそうな笑顔を見せる亜美。
「可愛いですよ。猫さん」
そう言って、笑いかける。
「“にゃあ”」
少し照れながら“鳴いた”亜美は、どうしようもなく可愛くて──私の理性を一気に崩す。
駄目だ。
可愛すぎて、
愛しすぎて……
もう…我慢できない…
「亜美」
「はい?」
「今日は“にゃあ”って鳴いてください?」
「えっ?」
驚いた表情の亜美。
「たっぷり可愛がってあげます」
そう言って、亜美のくちびるを奪う。
「んっ///」
彼女の可愛い声が、ますます私の理性を崩す。
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