一呼吸の休息のとき
もうきみという音に出会えないとしても

いとしい手はすべり落ちて
すくいを求めた歌を秘めて
やさしくあるがままの空で
ただきみの傍らの夢だけを
たいせつなせかいのすべて

いたいけな嘘にも笑ってくれたね
歪んだぼくにも気づかないふりをしてくれた
気まぐれだって知ってたけどね
手に入らないきみを愛しく思います

きみが世界を教えてくれたなら、ぼくにとっての世界はきみの隣りだった









まだ朝日は昇るのですか?
まだ夜は訪れるのですか?
まだ世界は続くのですか?

もう君はいないのですね
もう僕はいらないのですね

誰のためにも君のためにも生きてはいけない虚像を慈しみください
傍らに希望だけがないのです
想い出を食べても満たされない

どこまでいっても過去形にしかなりえない
それは哀しい物語でしたか?
いいえ、どこにでもある人を愛する滑稽なお話しでしたよ










彼女の亡骸すら世界は許さなかった
彼女の声が笑顔が欠けていったまま
彼女の遺した世界は彼女を悼まない

彼女の遺したものは彼女ではないのに、なぜ愛さなければいけないのですか

君のいない世界で笑ってるだなんて虫酸が走るんだ
世界と時代を壊したのは君という銃弾だった










そして始まりの汽笛が鳴る

お持ち帰り



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