「会いたかった」
そう告げたのはどちらだったか。
それは語られないお伽話の中のお話。



「一度、やり直しましょう」

そう告げた君がいた。
まるで気高い薔薇のようだ。何も言えない僕を君は嘲笑うでもなく、ただ静かに微笑んだ。

「いつか、  」

眠りにつく君と、欠けた言葉。
最果てに堕とされた僕。だけど絶望なんてなかったし感じる暇もない。

ただ、俺はその続きを知りたかった。
本当は君を望むべきではなかったのだろうに。

さあ、俺にあの言葉の続きを教えてくれ。
(まだ伝えていない言葉があるんだ)

終わったはずのお伽話は、続きを求める男の声で呼び起こされる。


薔薇に埋もれたお伽話
愚かな執着に溺れても
変質に揺れ動く世界で
口づけに託された恋心
巡り逢おう、何度でも


変わりいくもの、変わらないもの。誰も知らない物語を二人は歩いていく。

その先はお伽話の続き、


お持ち帰り

Thanks:Black casket


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