「…ねぇ、トイレ行きたい」

不意にぼそりと創耶が言った。

「こんな時に緊張感無いなぁ、もう」

深夜が小さく溜め息をつくが、整理現象は仕方がないためそれ以上言及するのは止めた様だった。

「じゃあ、トイレに創耶を連れていってから一先ず校舎を出てみようか。外もこんな感じなのか見てみたいし」

莉央がそう助け船を出せばそれに異論は出ない様で、各自黙ったままで立ち上がった。

莉央がドアに手を掛けると、小さく息を飲む音が背後から聞こえた。
恐らく幽霊とかお化けの類いが苦手な創耶だろうと目星はつくのだが、苦手なのにこっくりさんなんてものをやりたがるのだから存外平気なのではないかと莉央は思う時がある。

そんな事に思考を巡らせつつ、ドアを開けると、まぁ、普通の廊下が広がっていた。

だが、莉央達が通っていた大学のものとは明らかに違いどちらかと言えば中学校、高校の様な校舎の造りだった。
莉央はものの試しに全員が廊下に出たのを確かめてから一度出てきた戸を閉めてまた開けてみた。…結果は思った通りのもので、一瞬にして中高生の教室に中は変貌を遂げていた。



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