「………もおやだ」
ポツリと呟かれた言葉に莉央は振り返ると創耶が俯きながら肩を震わせていた
玲音と深夜は気遣う素振りを見せるがなんと言葉をかけていいか迷っているようで戸惑いも伺える
「あ〜…創耶、ホラー駄目だもんな。いや、でもほら皆一緒だし、最悪僕がなんとかするし…」
周りの様子に莉央は頬をかきながら創耶にフォローを入れようと言葉をかける
「創耶…大丈夫?」
深夜も心配そうに声をかけ肩に手を置くと
俯いたままだった創耶がガクッと泣き崩れる
「…ま…」
ポツリと呟かれた言葉に全員が耳を傾けると
「また中学や高校からやり直し!?もう受験やだーっ!!」
創耶の声が廊下に響き渡る
ピシッと凍り付く3人
そして、
「おまっ…いい加減にしろっ!!」
莉央はどこか黒い笑みを浮かべながらゲシゲシと創耶に蹴りを入れる
深夜は一瞬でも心配した自分に後悔したそがれていた
「……深夜どんまい」
玲音はポンッと深夜の肩に手をおき同情的な顔を向ける
そんな玲音に苦笑を浮かべながら溜め息をこぼす
「な、何よ〜…思った事を言っただけなのに…」
「空気読め。空気」
「う〜…でもこれじゃあトイレの場所わかんないじゃない。」
創耶は渋々話題を替えるようにキョロキョロと辺りを見渡す
そんな創耶に莉央は溜め息をつきながら廊下を見渡すとそのまま右に伸びる廊下を歩き出す
「大概、トイレなんて廊下の端にあるでしょ」
そんな莉央を3人は見つめながら後を追いかけ歩き出す
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