(全く、普段からもこうやって素直に可愛けりゃいいんだがな…)
 ゆっくりと身を沈ませ、ぴたりと重なるとリサが小さく震えた。
「ん?なんだ?もう?」
「…ちゃう…拳西が冷たい…」
「ああ、水風呂入って来たからな」
「なんでやの、水風呂って…」
「……何でって、熱い風呂入って、その後水風呂って気持ちよくねぇか?」
「…うっわ、ないわ」
「そうか?夏場のあっつい時とかさっぱりするんだがな」
 嫌そうに眉間に皺を刻んだリサを見下ろし首を傾げている。
「ま、いいじゃねえか、どうせ直ぐに温まる」
「ああん!」
 上掛けを跳ね上げて退かすと、リサの足を抱え上げ奥深くに突き進んだ。

「ふあ、あ、あん…」
「リサ、舌」
「ん、あ。あふ…んふ…」
 拳西が促すままに舌を出し絡ませ合う。

 そう、拳西の誕生日の時は何時になく素直に思うがままに抱かせてくれるのだ。
 お陰で、拳西の方も珍しく箍を外す。

「あ、あん、激し…ああっ」
「今夜は付き合ってくれんだろ?」
「あああ!」



 それは現世に来ても変わらぬ習慣になっているようだ。

「ふあ…あ、変態」
「あ?オメー程じゃねえよ」
「らって、外だ、なんて」
「あいつらの居る場所なんてご免だな。それに、二人きりになれる場所なんてこういう所位だろ」
「あああ…」
 そこは人気のない山の奥だった。
 確かに二人の脚力や、能力だからこそ到達できた場所である。
 敷物とコンビニ弁当を持って、山奥深くへやってきたのだ。暑い夏に駄々を捏ねたリサの為でもある。

 二人とも全裸になって、リサは木にしがみ付き拳西は背後から激しく腰を叩きつけていた。
 肌打つ音が辺りに響くが人気がないだけに、余計に響くし、リサの声も響いている。

「それに、仕事がないってのもいいもんだな。一日こうしてられるぜ?」
「あ…は、ああ!」
 眼鏡を掛けたままで少しばかり涙目になっているリサの顎を持ち上げる。

「こういうの、ツンデレ?のデレって言うんだろ?」
「!!ちゃうわ!!」
 真っ赤になって反論しようとするが、奥深く貫かれた状態ではリサに勝ち目はない。
「うわ、あ!ちょお、拳西!何っあああ!!」
 腕を引かれ上体を持ち上げられたかと思うと、足が抱え上げられ地面から離れる。逞しい腕が軽々と支えている状態だ。かと思うと、地面へ四つん這いにさせられより一層激しく腰を叩きつけられた。
「ああああ!」


 翌日以降しばらくリサの機嫌が悪くなるのも、長年の付き合いで解っている。
 それでも自分の好き勝手にできる機会はないのも承知しているので、遠慮はしない。

「こういう場所もいいもんだな。来年もここにするか」
「いやや!!あああ!!」
 リサの抗議はあっさりと拳西の身勝手な動きによって封じられる。
 嫌がっても来年も来ようと、ほくそ笑んだのでした。



おしまい

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