||| plus alpha 『またやってる…』 私は学校の屋上から校庭を眺める。 校庭では1人の少年 対 他校のヤンキーのケンカが繰り広げられていた。 不利なはずである少年は怯むようすもなく、大勢に突っ込む。 そして、次々と倒れていく他校のヤンキー。 私はその光景を眺めながら、持ってきたお茶を飲む。 『凄いなー』 お茶を一口二口、喉に流し込む間に半分は倒れただろうか。 数分も立たず、校庭は死屍累々で立っているのは少年ただ1人。 『平和島 静雄だっけ』 私は少年の名前を口にする。 校庭に佇む平和島 静雄は私の視線に気が付いたのか、顔を見上げ、少し睨んだのだろうか。表情まではよく見えない。 私はほとんど屋上に居て、毎回校庭でのケンカはしっかり見ている。 そして、毎回目が合う。そして多分、睨まれている。 『私も飽きないなー』 こんな風になるのは私が転校してから、一体何回目だろうか。 そんなことを考えている間に彼は校内に入ったのか、現在は残念な感じの校庭しか無い。 『…………………………いいな』 小さく呟いた言葉は、風によって消された。 いいな、と呟いたが、怪力になりたい訳では無い。 ただ、ただ、羨ましく思えた。 一度話してみたい。 そう思うが、私は嫌われているのだろうか? その時、屋上にある唯一の扉から小さな音が聞こえる。 あの音の正体は、静雄なのか。 それとも、サボりの私を連れ戻す先生なのか。 私はフェンスに寄っ掛かりながら、扉を見つめる。 さて、誰が来るだろうか? ちょっとシリアス風味な感じで。 夢主はシズちゃんの1つ上で、さりげなく先輩。 サボり常習犯。 August 23, 2012 20:34 back |