▼ 射手座にご用心
「ふぅ…疲れた!!」
立ち止まり後ろを確認する、アルバフィカは来てない。
あぁ、ヤバかった!アルバフィカを女だと思って接するのは危険だ!!これから気を付けなくちゃ!
「アフロディーテ様?」
「ん??」
呼ばれた方を見ると 爽やかなイケメンが立っていた!
「どちらへ行かれるのですか?」
「え?いや、黄金の聖闘士の人達に挨拶に行こうかと思って…」
「あぁ、そうでしたか…アルバフィカにも挨拶を?」
「うん。」
「そうですか…ならば何故 彼の小宇宙が怒っていたんだろう?」
「ああ……それあたしのせい。。女だと思って接してたら怒っちゃった。ただ、抱きついただけなのに…」
「アルバフィカにですか!?」
「うん、あたしには毒効かないから。」
「いや、それだけで驚いたわけでは…」
「ん??ところで貴方の名前は??」
「あっ!申し遅れてすみません!射手座のシジフォス。以後、お見知りおきを…困った事があれば私にお申し付けください。」
おおっ!!なんかめっちゃキラキラしてる!
笑った時に見える歯が眩しい!!白い歯っていいなー♪
「アフロディーテ様?何か私の顔についていますか?」
「あっ!?いや、なにも?爽やかな人だなーと思って。」
歯みがき粉の歌を歌ってる時じゃなかった…
「爽やか!?そのような事はないかと…よく意味がわかりませんが」
「いいの!いいの!あたしが思ってるだけだから!シジフォスは気にしないで!あっ、シジフォスもあたしの事は名って呼んでね??敬語もなしっ!」
「それはできません。」
「アルバフィカは呼んでくれるようになったし敬語も止めたよ?さっきなんか、名ー!!って言いながら怒ってたし♪」
「プッ…アルバフィカがですか?」
「うん。いやー怖かった!でも、アルバフィカの手についた血を舐めた時と抱きついた時の顔は可愛かったー!めっちゃ目の保養になったー♪」
「…………」
「なに??どしたの?」
シジフォスが目を丸くしてあたしを見てる
「アハハハッ!随分と正直な女神様だ。しかもアルバフィカが可愛い。目の保養……。舐めた!アハハハッ!」
「そんなに笑うことー!?めっちゃ可愛いかったんだってば!」
「いえ、だいぶアテナ様とはタイプが違うなと思いまして。」
「あー。あの子はあたしと違うねー。純情可憐。エッチな事とか疎そうー!」
「プッ…、そんな名も充分美しいと思うけど?」
「いや、それないし!まぁ、エッチな事はあの子に勝てるね!」
「へぇ〜。例えば…?」
ん??何だかシジフォスの態度?雰囲気?なんかが違う。喋り方がくだけただけじゃない…何かが違う………
「エッチってどんな事??」
シジフォスが、あたしの髪にキスしながら聞いてきた。。上目遣いで見る顔にはさっきの爽やかさがないっ!!
獲物を射るような顔……
あぁ!だから射手座!………って、ちゃうわぁ!!
あれだ!この方は表爽やか実は腹黒タイプなイケメンだっ!!しかもエロそー!!今の目だけで孕みそう←
「シジフォスってー。実はエロい??」
「さぁ??どうかな?」
「なんか、爽やかじゃなくなった。」
「だから、最初に違うって言ったのに」
「………そうでした。」
さりげなく腰に手を回してくる。慣れてるぅ!
「アテナがびっくりするね?」
「アテナ様の前じゃ見せない。」
なんだそれー?!あっ!特別ってことか!!
なーるほどっ!!なんか悔しいぞー!!あははは!
「あっ!噂をすればっ!あそこにアテナが!」
「!?」
あたしの、指差す方を見るシジフォス。
案外、お馬鹿さん?アテナの小宇宙ないでしょーよ。でも、まんま、引っ掛かってくれてよかった!今のうちに腰に回された手を外し逃げる
「あっ!名!?」
「アテナにエロシジフォスがバレないよーにねー?じゃーねー?」
振り向かず手を振りながら下へと逃げる
蟹兜もチャラいがシジフォスも結構チャラいな!というか何か危険だな…二人きりになるのは止めよう
―――
「逃げられたか…。」
そう言いながらもシジフォスは笑う
アテナは幼少の頃から傍にいて妹のような…そんな気持ちも混ざりながら守りたいと思わせる女神だった…
けれど、この女神は…アルバフィカを可愛いと…手を舐めたり、抱きついたり。エッチな事では勝てると言ってみたり…
随分と女としての部分をだしてくる女神だと思った。さすがは性を司る女神……といったところか…
誘われてるかと思ったがどうやら違ったらしい…まだまだ子供な部分があるのかもしれない。そこがとても魅力的だと思った…
「次は捕まえる」
射手座のシジフォス
狙った獲物は外さない
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