長編 | ナノ

 女神になってマイッチング!

自分でも男好きだな〜とは思っていた(特にイケメン)

でも、まさか…
普通の家庭で育った普通の女子高生な自分があの女神の生まれ変わりだなんて思ってもみなかった




 ̄ ̄ ̄

学校の課外授業で行った美術館



『はーい!先生に注目!
この絵はアフロディーテといわれる女神の絵です!
ヴィーナスとも言われたりするわね。

愛と美と性を司る ギリシア神話の女神で、オリンポス十二神 の一柱です。 すんごく美しくて色んな神からの求愛をうけてたらしいわ。
あと、戦の女神としての側面も持っていて気が強く、ヘラやアテナと器量比べをしてトロイア戦争 の発端となったりしてる女神なのよー。
さらにっ!春の女神とも呼ばれてたりもするの。彼女が歩いたりいた土地は豊かになるらしいわ。

とにかく神たちにモテモテで結婚しても浮気が絶えなかったらしいわ!うーん。モテモテなのは羨ましいわね!!』

先生が一つ一つ絵の人物の説明をしていく


「あはは!名みたいな女神だねー!」

「はぁ?どこがよ?」

「名ってモテルじゃん?高校入って何人付き合ったぁ?めっちゃ多いじゃん?」

「そりゃーね!付き合う彼氏が毎度毎度ストーカーみたいになれば別れて次見つけないとこっちが危ないわ!」

そう、あたしは高校入ってから付き合う奴みーんな異常に束縛が激しかったりしてて
別に付き合ってる間 浮気なんてしてないのに疑われて一日中 つけ回されたりする。
自由に女友達とも遊べない。あたしの性格上そんなことされて我慢できないので別れる。
ストーカー対策に彼氏つくる→そいつがまたストーカーになるの繰り返し…
嫌になる。
この女神は愛され過ぎて大変な事になったりしなかったんだろか?そんな事を思いながら女神を見つめる



―それはまぁ色々あったわねー。


「は?」

「どした?名?」

「いま、この女神喋った?」

「はぁ?何いってんの?んなわけないじゃん?」

「ですよねー?」

絵の中の女神が喋るわけないわな。
あー幻聴か?昨日遅くまでゲームしてたのが悪いか?

―絵じゃないわよ?貴女の中から話しかけてんの


あぁ、あたしの中か!
あぁ、納得!

「なわけないじゃん!!」

「どーしました!姓さん!なに?」

ツッコミが声にでてしまったもんで先生に注意されてしまった


「あーえー、トイレ行ってきます!」

「………はい。行ってきなさい。私達は先に行ってますからね。」

「は、はぃーい!」

友達に手を振り離れてからまた絵を見る
絵じゃない?あたしの中?なんじゃそりゃ。
絵を見つめてるとこめかみに痛みが走った

「あたっ!?な…に?」

今までに感じたことのない痛みがする

―だって、名。私、アフロディーテは貴女の中にいる。貴女は、美の女神アフロディーテの生まれ代わりよ

わけのわからない声も聞こえる……

「きも……ちわるっ」

痛さから吐き気がきたのか猛烈に気分が悪くなり
トイレに駆け込む…その間も声は止まない
勢いよくトイレのドアを開ける
便座に顔を突っ込もうとした瞬間
光が溢れ目をつぶる


「貴女は…アフロディーテ?」


今までの声と違う声がして目を開ける
そこには白のドレスを着た綺麗なネーチャンガ立っていた

「ど、どなた??便器はどこいった?」

「便器??」

あわわわ!綺麗なネーチャンから便器とか言葉が出てしまい何故か慌てる

「い、いやっ!な、な、何でもないです!ってか此処どこですかー??わー、なんかのコスプレっすかー?」

「こ…すぷれ?」

うわー、なんか卑猥ー!純情そうなネーチャンガ言うと卑猥ー!
ってこんなこと思ってる場合じゃない!
あたしいつの間にか痛みもない!声も聞こえない!

「コスプレも気にせんでください!あーえっとあたし戻ります!」

そう、皆のとこに戻ろう!そうしよう!
そう思って振り向くとドアまでがめっちゃ遠い。

「…」

ってか目の前に便器あったのに目開けたら綺麗なネーチャンがいたんだ普通じゃない。
ヤバイヤバイ…なに?夢?なにこれ?

「貴女からアフロディーテの小宇宙を感じます」

ほら、またアフロディーテとか名前でる…

「人違いで…す!わっ!?」

否定しようとし振り向くと綺麗なネーチャンガ目の前にいて手を握られた
何か暖かいものが流れる

「な……に…?」



頭の中に綺麗な女の人が色んな男と恋をしていた映像が流れる


あぁ…………これ……あたし………だ


あたしの昔の記憶……




―そう、貴女は、アフロディーテの生まれ代わり。たくさん恋をしなさい。



たくさん……恋……


「つーか!昔、恋しすぎだろ!!引くわっ!」

思わず叫ぶと綺麗なネーチャンガびっくりして手を離す

「あぁ、すみません。。ってか貴女アテナ??」

会った時はわかんなかった
アフロディーテとして目覚めてなかったから
けど、今は気配というかなんかわかる。

「はい、私がアテナ。今の名はサーシャ。」

「サーシャ…私の名は名。どっちかっていうと名で呼んでほしいわ。」

「ふふ、わかりました。なんか昔のアフロディーテと雰囲気変わりましたね?」

「……みたいね。」

絵や神話のアフロディーテとは違う
可愛くもなけりゃ、おしとやかでもない。
あぁ。昔も負けん気は強かったっけ?

「私の事もサーシャと呼んでください。」

「OK!」

ニッコリと笑う顔は戦女神とは思えないほど可愛らしい

「しっかし、此処どこ?」

「サンクチュアリです。もうすぐ聖戦が始まります」

「あぁ、ハーデスとね。」

あたしは昔の記憶で聖戦を知ってる
その時はまだ女神で戦いには加わってはなかった
戦いをみてアテナを護る黄金の聖闘士が気になり
あたしも転生して同じ時代に生きて参加しちゃおーかな的な考えで人間になった昔のあたし…
アホやわぁ。。

何度か人間として生まれたけど聖戦の時期とはかぶらなかった
それなのにどうして今回は聖戦の時期にこれたのだろう?まぁ、いっか!!


「名、あの…ハーデスが貴女の事狙ってるみたいなの。」

「え?なんで?」

「狙いはわからない」

「あたし昔何かしたー??」

「わからないけど、名貴女もここに居た方がいいと思う。」

「うーん。まぁ。そーだね。もとの世界にも帰れなさそうだし…」



―――ガタンッ!




「アテナ様!!」

サーシャと話してる途中でドアが開いた


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