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ミルクセヰキ。

「ね、お願いななこさん。…俺もっかいしたい。」

気怠い微睡みに身を任せようとベッドの柔らかさに意識を寄せた矢先に、仗助くんが言う。

「え、…やだ無理。」

いくら明日が休みだからって、私は今朝から仕事をして、買い物をして仗助くんにご飯を作って洗い物をしてお風呂を洗って、そうしてこのセックスのフル稼動。
もう指先すら動かすのが面倒なくらいで、今にも眠りたいというのに。

「えー、女性って何回でも気持ちいいって言うじゃないっスかぁ。」

ねえねえしようよ、と身体を揺すられる。
仗助くんだって学校だっただろうにどうしてこんなに元気なのかと思ったけど、世の中は夏休みというものだったそういえば。若さも時間も有り余ってるんだろうな、きっと。
と、そこまで考えて、学校があってもあんまり変わらないな…と思い至る。

「…だからだよ。」

「…え?」

怠い身体をよっこいせ、と起こせばその言葉は唇から零れていたようで、仗助くんは「年寄りかよ」と笑いながらも私を抱き起こしてくれた。

「仗助くんが一回イく間に!私がどんだけイッてると思ってんの。」

思わず力が籠ってしまう。実際問題、仗助くんに抱かれるのは疲れる。もうなんか流石は10代。ホント、説明するのも疲れるくらい。

「…え、どんだけ…?」

「…だからさぁ、」

抱かれる方だって寝てるだけじゃないんだよ。と言おうとしたんだけど、それは仗助くんの言葉に遮られた。

「…だから、どんだけ?って。それって俺に抱かれて何回もイッてるってことでしょ?」

「…う、」

ぎらぎらした視線には、期待がたっぷり籠っていて。餌を前にした犬の方が、まだ可愛らしいような気さえする。

「ねぇななこさん、それ俺すんごく嬉しいんだけど。だから、具体的にさ。教えてよ。」

「そんなのっ、数えてない…!」

自分で言いだしたことだけど、こんなに食いつかれると思っていなかった。
食いつかれると、の言葉の通りに彼は私の肩をがぶりと噛んだ。

「じゃあ、今から数えて。」

「っや、あ、やだやだっ…も…」

疲れた身体で、というかそもそも私が仗助くんに敵うわけがなくて。
先程までの行為で敏感になった身体は撫でられるだけでびくついてしまう。

「そんなこと聞いちゃったら、俺我慢できないっス。」

「…っや、だって…あぁっ、ん、」

起こしたはずの身体は再びベッドに沈められて、眠気に支配されていたはずの身体が仗助くんの手による支配へと変わっていく。

「…俺、ななこさんの気持ち良さそーな顔見るの、大好き。」

私は君の嬉しそうな顔を見るのが大好きだよ、と教えてあげたかったのだけれど、生憎唇からは喘ぎ声しか零れなかった。仗助くんのせいだから仕方ない。

*****

いつの間にか気を失ってしまっていたらしく、視界には朝日が差し込む窓辺に揺れるカーテン。

「…おはよ、ななこさん。」

仗助くんの顔で視界がいっぱいになる。
大丈夫?無理させちまってごめんね、なんて殊勝な台詞を吐くけど、その表情は言葉と裏腹にとても嬉しそうで。

「なんでそんな嬉しそうなの?」

「え、だってェ、気絶するほど気持ち良かったんでしょ?」

えへへ、と照れたように笑う表情はまるで子供みたいなのに、吐く台詞の酷さといったら!

「嫌っていうのにするからでしょ…」

不満の声を上げても、仗助くんは何処吹く風で。

「でも、何回イったか数えらんなかったっスね。…今から数える?」

のしかかられて思わず身構える。これ以上されたら本当に動けなくなってしまう。せっかくの休みなのにそれは困る。

「やだやだっ、もうしない!!」

バタバタと暴れたところで仗助くんはビクともしなくて、それどころか体重を掛けられてベッドに縫い止められてしまう。

「ね、…しよ?…お願いななこさん。」

そんな顔されたら私が断れないのを知っていてやっているに違いないと思うんだけど、可愛らしくお願いされてしまっては、折れるしかないわけで。

あぁもう週末は動けないな…と、いろんな予定を諦めつつ、私は抵抗の力を緩めた。


萌えたらぜひ拍手を!


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bkm