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触手でGO!

スタンド使いは引かれ合う、とどこかで聞いたような気がした。その言葉が本当なら、僕はもしかしたら、DIOに感謝しなくちゃあならないのかもしれない。

「…花京院くんのハイエロファントグリーンはさぁ、キラキラして綺麗だよね。」

「…突然スタンドを出せと言った次はそんな台詞かい?」

それは、あの旅でできた友人たちもだけれど、何より目の前で笑う少女に。

「…うん。…だって、ホントにすてきだから。」

「…僕は、ななこのスタンドが好きだな。…君に似ているから。」

彼女もまた、スタンド使いだ。可愛らしい彼女によく似た、柔らかそうなラインを持つ、人型のスタンド。一緒にいる限りで、彼女の能力を見たことはない。…それは彼女も同じだろうけれど。

「うそ、本当に似てる?」

「…うん、シルエットが同じだ。」

腰からお尻にかけてのラインとか、と答えたら、「えっち!」なんて背中を叩かれた。
でも本当に、彼女のスタンドは女性的な形をしている。

「…ななこのスタンドも見せてよ。」

「…?いいけど…」

そう言って、彼女はスタンドを発現させた。やっぱり、ななこに似ている。
二人きりのはずの部屋に4つの影があるのはなんだか不思議な気がするな、なんて思いながら、僕はハイエロファントで彼女のスタンドに触れた。さっき似ていると言った、腰回りのラインをなぞるように。

「…ひゃあッ、もー…、何すんの…」

「…あぁ、そうか。スタンドの感覚は君に伝わるんだったね。」

彼女と僕には距離があるから、頬を染める様とかびくりと震える肢体がよく見える。
僕はちょっとばかり意地悪したくなって、ハイエロファントの触手を彼女のスタンドに絡めた。

「や、ッ…なに、ちょ、っ、花京院くん!」

「…なに、は僕のセリフだよ。…そんな色っぽい声を出して…」

『彼女には』触っていないのに、と思うと尚更妙な気持ちになるのは僕がおかしいのだろうか。ななこは僕のスタンド能力を知らなかったせいか、ひどく驚いた顔で僕たちのスタンドが絡み合う様を見ていた。

「…触手…?」

「うん、ハイエロファントは人型だけれど、こうやって遠くまで伸ばしたりもできるんだ。」

くるくると触手を巻きつかせれば、彼女は苦しげに吐息を零した。その姿に興奮してしまうなんて僕はサディストの気があるのだろうか。

「…君にはなんともないのに、おかしいね?」

動けないななこに口付けると、彼女は戸惑いつつも僕の舌を受け入れる。てっきり噛まれでもするかと思った僕は、彼女が応えたことに気を良くして、ますます口付けを深めた。

「…っふ…ぁ、ッ、花京院く…」

口付けから解放された彼女は唇の周りを拭おうとしたらしい。けれどハイエロファントに抑え込まれているせいで、腕にぐっと力を込めるのが見て取れるだけだった。

「…ベタベタして嫌かい?」

「ん、これ、解いてよ…」

大丈夫、僕が綺麗にしてあげる、と唾液に濡れる彼女の唇をぺろりと舐めると、彼女はびっくりしたように身を竦ませた。そうして少しばかり自由の利く足で、僕から距離を取る。

「…スタンドが見えない人が見たら、どう見えるんだろうね?」

くすりと笑って見せれば、ななこは羞じらいを隠しきれない潤んだ瞳で僕を睨みつけた。
それだけで、背筋がゾクゾクする。

「も、やめてよ花京院くんっ…ぁ…!」

彼女のスタンドを愛撫すれば、可愛らしい声を上げるのはスタンドではなくて彼女で。
なんだかとても倒錯した気持ちになる。

「…このまま、スタンド同士がセックスしたらさぁ…僕らってどうなると思う?」

交わるための性器はないけれど、このまま続けたらあるいは、なんて興味は尽きない。
僕は一歩、彼女に近付く。

「もー…やめて…って!言ってるでしょう!!!」

バン!と衝撃が走って、一瞬何が起きたのかわからなくなる。ぱちくりと瞬きすれば、見えているのはどうやら天井。

起き上がろうとしたけれど、身動きが取れない。唯一動かせる首を持ち上げると、ハイエロファントが彼女のスタンドに組み敷かれているのが見えた。

「…な…っ…!?」

「私のスタンドは、近距離パワー型なの。…だから、残念だけど私の勝ちね。」

僕の足元に仁王立ちになるななこは、呆れたように溜息を吐いて僕を見下ろしていた。
そうして意地悪く、よくもやってくれたな、なんて笑う。

「さぁ、お仕置きの時間だよ、花京院くん。」

ハイエロファントを抑え込まれて、形成逆転。動けない僕を見て、ななこは意地悪く笑った。

これはこれでアリかも、なんて思った僕は、本当どうしようもないのかもしれない。


20160801


萌えたらぜひ拍手を!


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bkm