(決意)

「ユウ、何読んでるんだよぃ?」
「わ、ユウ先輩漫画じゃないッスか」
「悪い子じゃのぅ。」

『放課後の王子様読んでんの』

「あ、それ面白いやつッスよね?」

『そうだね、手塚のキャラが壊れたり
真田をオチとして使ったり、この漫画でしか見られない皆が居るよね』

「うん…(なんかユウ怖くねぇか?)」

『と、言う訳でここでも「放課後の王子様」を刊行するっ!』



(インパクト)

『まずひとつ思うことは立海のインパクトの無さ!』
「そうか…?弦一郎などインパクトはあると思うが…」

『ちっがうんだよ。主人公が居るってだけで青学に漫画スペース占拠されて…
関西人で喋りが上手いからって四天宝寺に尺奪われて
比嘉はキャラ濃いぃし、氷帝は跡部がコマ買収してるし』

「金動いてんのかよぃ!」
「動いてないと思います。」

『とにかく!我が立海にはインパクトがない!』
「どうするんじゃ?」
『手始めに…』

『幸村、猫耳を付けてみようか』
「死んでみようか?」
「2話目にして連載が終わるぜよっ!!」


(ミーティング)

「確かに、ユウが言う通りに俺等の話は少ないかもしれない」
「だが幸村!そんなこと言ったってどうしようも…」
「だからそうだなぁ…手始めに事件でも起こせば話が進むと思うんだ」

「じゃあ俺が脚本考えるぜ!台詞はジャッカルな!」
「俺かよ、ってもう驚かねぇからな。」

『じゃあ俺衣装さーん』
「照明係やります」
「映像編集をやろう」
「俺アシスタントやるッス!」
「俺はメイクでもやるぜよ」
「うむ、俺は撮影をやろう」
「じゃあ俺は監督をやろうかな?」

………。

「誰が演じるんだよぃっ!!」


(演じてみよう)

『ぐはー。くるしー』
「ユウ、大丈夫かぇー?」

「…ユウと仁王じゃなんだか緊迫感無いんだよな…」
「そうッスね。」
「うむ。」

「ユウ、今仁王が死にそうで悪魔に自分が死ねば仁王を助けても良いって言われたらの場合で演じてみて?」


『はぅ!僕が、僕が死んだら本当ににおーは助かるんだね!』
「そんなことさせん!俺は生きるぜよ!じゃからユウも生きるんじゃ!!」

………(-(;-ω-`A)


(演じてみよう2)

「ユウと仁王はキャスティングミスだね」
「『えー』」

「主人公は赤也でいいだろう」
「ナイスアイディア!蓮二」
「俺ッスか!」

「はい、赤也。真田を殺してみて?」

「え?」

「早くせんか赤也っ!」ゴゴゴゴゴォォォ

「む、無理ッスっ!!」


(やっぱり)

「俺達の中に役者は居ないようだね」
「だいたい部活中に演劇をするなど言語両断」
「なぁんだ、つまんねぇのー」
「撤収撤収」
「今後の立海の方針を考える必要がありそうだな」
「ユウ先輩、撤収しますよー」

『うぃ!におー!僕は死なないから離れて?』
「嫌じゃ。俺はユウと一緒に居るんじゃ」
「ヘタレ仁王発動だね。これがネタになるじゃないか!」
「よし!今度はヘタレな仁王先輩で行けるっしょ」


―その頃
「私の出番はまだですかねぇ」wkwk

………乙


(ヘタレ仁王)

『ぬー。あの日からにおーがヘタレててさー』
「ヘタレじゃないぜよ…」
「べったりじゃんかよぃ」
「仁王先輩何やってんスか、ほんと」

『朝も一緒に登校するし』
「当たり前じゃ」

『席は隣に仕組むし』
「いつでも横は俺じゃもん」

『部活でも僕と居るし』
「じゃって…」

「……まてよぃ」
『ん?』
「柳生先輩」
「部活中どこ行ってんだよぃ」


(行方不明)

『そうか!なんか居ないと思ったら柳生だ!』
「柳生先輩居ないから部活中も仁王先輩が引っ付きまわるんですよ!」
「おい、仁王!お前のパートナーどうした?」

「俺の人生のパートナーはユウじゃ!」

「駄目だこりゃ。」
「完全に逝かれてますね」
『ぬん。』

「柳生ー!」
「柳生先輩ー!?」
『やーぎゅっ?』

「…っや、やっと…出番ですか…?」

煤i0д0)

「なんだよ、その服…」
「つーかいつからそこに居たんスか…」


(忘れ去られた柳生)

「ですのでずっと出番を待っていました。」
「ジャッカルが撤収って言ってたろぃ」
「聞こえなかったのです」

「確かに柳生先輩が居なかったことに気付かなかった俺達も悪いッスね」
『うん。』

「そうだよなー。立海は9人だもんな。」
「8人じゃないッスもんね」

………

『なんだよ、僕が居るのが悪いってか!』
「そうは言ってねぇ!」
「ユウは必要じゃ!」
「だぁっとけ!お前は!!」


(結局)

「結局立海のコマを増やすことは出来ないようだね」
「そのようだな」
「真田先輩が暑苦しいのがいけないんじゃないッスか?」
「赤也のそのワカメが描くのめんどいからじゃねぇ?」
「精市の腹黒さだろう。」
「ふふ。俺じゃなくて柳生の嘘くさい紳士なんじゃないの?」
「私ではなく仁王君の詐欺師まがいな性格では?」
「ブンちゃんがおでぶすぎてコマ使うのが原因じゃろ」
『あ、言えてる』
「なんだと!お前出てないじゃねぇかよ!」
『あ、傷付いた。』
「ユウを傷つけるんじゃなか!」
「うっぜ、マジうっぜ!」

『だいたい真田の帽子が幅取ってんだって!』
「っな!それを言ったら仁王の髪形の描きづらさだろう!」
「や、ワカメだって」
「なかなか部長も描きづらいッス」
「赤也には負けるけどね」
「ブンちゃんのボリューム感じゃろ」
「なんだとっ!!」

『あー!もううっさい!見ろ!あのジャッカルの無駄の無さ!』

「(つるーん)」

『この今までギャーギャー言ってたのに一つもジャッカルの話題が出ない具合!
そしてそれを口出ししない性格!
加えて幅を取らない潔いスキンヘッド!
この居るのか居ないのか分からない空気感が皆には無いんだ!!』

「そうだったのか…」
「ジャッカル先輩」
「ありがとう」

「お前等。俺は8割方貶されているんだがそれで良いのか」






―放課後の王子様―






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