『これにて遊びは終わりですあーでゅっ!』
「ユウ君、聞こえてますか?」

『貴様どこを見てるぜよ、プリッ!』
「はぁ…」



(「ねぇ、聞こえますか?」)


『やぱやぱ、立海だよね!』
「ユウ君、私は柳君からお借りした青学のビデオを見たいのですが…」
『ビデオってなんだよ、これDVDだしーっ』
「あ、いや…厳密に言うとDVDなのですが…ではなく!」
『あぁぁぁぁあっ!やぎゅーのせいで元気君のソロ聞き逃した!』

「何も私の部屋で見なくても…」

『ちょ、てめふざけんな!あぁぁぁ…元気君…』
「あの―…」

『だいたいさ、柳生がばーちょんってかっこよすぎなんだよ』
「はい?」
『こんな逆光似非紳士にイケメンが演じなくても良いってこと!』
「あの…さすがに酷…」
『どうせ目見えないんだからそれなりに不細工な奴が演じても問題ないんだよね』
「……」

『龍君ももったいないよなぁ…』
「ユウ君…」
『うん、思ったけど、やっぱ…』
「ユウ!!」

『っはいぃ!?』
「それは私がイケてないとでも言いたいのでしょうか」
『…え、あ…。七三分けで目見えない眼鏡ですし―…』
「でしたら…」
『あ?ちょ、なにしてんの?……って!』
「眼鏡取ったら、変わりますか?」

『………』
「………なんとか言ってください」


『…と、とりあえず掛けろ』
「はい?」
『眼鏡掛けろ…っ、良いからこっち見んな』
「この髪型も問題あるとおっしゃいましたね」
『あわわわ!やめ、ワックスのぉぉぉー!!』

「これなら、」
『へぃ…?』
「これなら見合いますか?」


『……やー、あの…』
「早く言って下さい」


『……見合って、る…から、お願いだから戻って』
「そうですか。」
『そう!もう良いから!』
「では暫くこのままで居ます」

『俺の話聞いてましたか?』

「さ、どうぞ。DVD続けてください」

『……帰る。』
「じゃあ家まで送っていきます」
『来なくていいっ!』









「と言うことが先日あったんですよ、仁王君」
「……なかなか策士じゃのぅ」
「そんなことありません。ユウ君が私を見てくれないからです」

「おまん…嫉妬深い方か」
「ユウ君限定です」


『やーぎゅっ!帰ろーっ?』


「あ、ユウ君です。それじゃあ仁王君、また」
「おん」







「………良いこと思いついたぜよ」




おわり



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