「ユウ、駄目じゃないか。ちゃんと駄目なきゃ」
『兄貴に言われたくない、兄貴には…』



朝起きて
朝ご飯も食べずに出かけようとするユウの腕を掴んで食卓に連れ戻した

今日は日曜日
珍しくテニス部も部活がないから今日は家でユウとゆっくりしようと思っていたのに


―兄貴、ジャケット貸してくんない?―


昨日の夜俺にそう言ったユウに笑顔で「なんで?」と聞き返すと


―明日仁王先輩と遊ぶんだよね―


と返事が返ってきたので笑顔で拒否をした



『ちょっと!遅れちゃう!』
「いいんじゃない?別に」


じたばたするユウを押さえ込んで目の前に料理を並べて行く


「全部食べるまで外出さないから」

『はぁ!?』



朝ご飯にしては豪勢過ぎるラインナップにユウの大きな目が一層見開かれた

小食で食べるのも遅いユウだからこれを食べ終えるには1時間弱は掛かるかな?

ぶつぶつ言いながらもサラダを口に運ぶユウを見て微笑んだ



誰がユウを他の奴と遊ばせるもんか




俺は食事中のユウに背を向けて部屋に戻り
今日は何を着て行こうかとクローゼットを開いた





fin



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