放課後の王子様
カラオケ―

「カラオケっ!!」
「はしゃぎ過ぎぜよ、ブンちゃん」
「久しぶりの休み…どうして先輩達といなきゃいけないんスか…」
「なに?赤也、それとも予定でもあった?デートとか、デートとか?」
「ない確率100%」
「酷いッスよ!」
『良いけど一発目は誰が歌うのさ?』

「クジで決めたらどうだ?」
「ナイスジャッカル!」
「だろ?」
「クジなら私が」
「なんで持ってるぜよ…」
『歩く四次元ポケット…』

「はい、皆さん引いてください!」
「赤が当たりってやつッスね!」
「せーのっ!」

しゅっ!

「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
『うわ…』
「…プリッ」

「なんだ…?」

「真田、一発だからね?」
「変にいぶし銀な曲は辞めるんだ、弦一郎」

「あ、それじゃ履歴の一番最後のやつにしようぜ!」
『ナイスジャッカル!今日冴えてるねぇ!』

「履歴、履歴っと…」
「……問題ない、入れろ」


"わん、つー!わんつーすりーふぉー!"

「ぶはっ!」
『え!?えぇっ?』


「♪あいうぉんちゅー」
『辞めてぇっ!真田辞めてーっ!』
「♪あいにーどゅー」
「さ!真田君!この曲はそのようなドスの効いた感じではなくっ!」

「♪へびぃろぉてぇえしょんっ!」

『怖いよぉっ!ヘビー過ぎだよっ!』

「真田?辞めようか?」

ピッ

「む?良かったのか?」
「ユウが死ぬほど怯えてるからね」
『(ガクブル)』
「それはすまない…」
『真田のヘビロテがヘビロテしてる…』
「ユウ、それはヘビロテやのぅてトラウマじゃ」

「次、誰が歌うんスか?」

「そうだなぁ…丸井、どう?」
「いいぜいっ!だけど普段歌わないような曲がいいぜ」
「任せんしゃい」

ピッ

「…ぽーにょぽーにょぽにょ」

『ぎゃああっ!お似合いだよっ!』
「じゃろ?選曲天才的ぃ」

「崖の上にやってきた―」

「先輩もっと笑って!」
「楽しそうにしろって!」

「(コロス、アイツ等絶対コロス!)」

「ちょっと仁王君!丸井君が可愛そうです!」
「柳生も意外と酷なこと言うね」
「どういうことです?幸村君」

「可愛そうって思うことは内心丸井のことぽにょだって思ってることでしょ?」

「そ!そんなこと!」

ピッ

「辞めた、次赤也行けよ」
「良いッスよ」
「俺が決めてやるぜぃ」

ピッ

「バタフライ、今日は今までの―」

『デビルがバタフライっ!!』
「そんな結婚式嫌じゃっ!」
「赤也が恥ずかしいと思ってる確率」
「100%、かな?」

ピッ

「こんなもん歌えるかっ!」
『えー、可愛かったのに』
「じゃあ次ユウ先輩ッスよ」
『うぃ、なんでも来いっ』
「俺が決めるね?」
『ゆ、幸村…』

ピッ

『め、女々しくて女々しくて女々しくて辛いよーぉっ』

「遠回しにユウに悪口じゃ…」
「ん?だってユウ女々しいでしょ?」

ピッ

『サビしか知らねぇっ!』
「じゃあ次は全部歌ってね?」
『う…次!ジャッカル!』
「俺が決めよう」
「柳チョイスならマシだな」

「♪貴方を追って出雲崎、悲しみの日本海」


「ぎゃはははっ!ジェロならぬジャコ!」
「柳先輩ナイス!」
「海外と国内に置ける違和感を調べたくてね」

ピッ

「……柳生、歌えよ」
「私ですか!?」
『じゃ、僕が入れるね』

ピッ

「一万年と二千年前から愛してるぅぅぅっ!」

「オタク柳生きたーっ!」
「隠してたのがバレた瞬間じゃな」

ピッ

「なにを歌わすんですか!」
「でも柳生、歌詞完璧だったよ?」
「幸村君!次は柳君です!」

『幸村に突っ込んどいて幸村を指名しない所…』
「ヘタレだな」
「だな」

「弦一郎、選んでくれ」
「あぁ。」

ピッ

「うーみよー、俺のうーみよー」

「柳から偉大な海が見えるぜよっ」
「ちょっと変なチョイスを堂々と!」
『違和感仕事しろ!』

ピリリリリリリ

『もしもし?』
"ラスト5分になりました"
『はい。…5分だってよー!』


「最後、精市、歌うのだ」
「俺のは誰が選んでくれるのかな?」

「……」

(おい、誰が選ぶんだよぃ!)
(順番的に行くと…)

「俺ッスか!?」
『ドンマイ、赤也』
「柳生先輩もでしょっ!」
『幸赤と幸やぎゅ、どっちが人気か考えてみろ』

「知らねぇよっ!」

「赤也?早くして?」
「ほら、早くシてってお誘いじゃ」

「嫌だぁぁぁっ!」

「早く、俺に歌わさない気?」

「ええいっ!もうヤケクソだ!」

ピッ


『なに入れたの?』
「適当に…」

「生きるは毒杯我が生は満ちても」

『か、カタルシス!!』

ピッ

「はぁ…ちょっと俺にはキツイや…」

『もう、赤也ったら、激しいんだから』
「いっぺん死んでください」

「さ、帰るけぇー」


「待つんだ、仁王」

「そんな怖い顔しなさんな、」
「幸村、仁王はまだ歌っていない」

「え?」

「後3分ッス!十分!」

「柳生、お前が決めろ」
「そうですね…」

ピッ

「プリップリップリップリッ、ピヨッピヨッ。プピーナプピーナプリップピーナ」


「…柳生、アイツはなに歌ってるんだよぃ」
「仁王君!!真面目に…」

「家族になろうよ―」

『福山雅治…っ』

「プリッ」
『かっこゆいっ!!』


「結局このオチかよ!」



おわり\^0^/



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