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ある人の話によると
初恋が実る確率は100人に1人の計算らしい
単純に言ってしまえば1%にも満たない確率

そんな私も例外でなく、去年の夏の今頃
今日みたいな暑い日にあっさりと振られた


相手の名前は財前光
家がお隣同士の幼馴染み


漫画みたいにかっこいいお隣さんは私の一個下
光を好いている同級生や先輩に虐められる。と言うことは無かったが
光に好意を寄せている後輩からの嫌がらせは酷かった


―ユウ先輩と財前君は何も関係無いんですよねっ!?
―私の邪魔しないでください!
―家が隣だからって…


と、云々をここ最近後輩から並び立てられている気がする…

確かに私にも原因があるのだ




「ユウ先輩、ちょっといいですか?」


今日もまた、意を決した思いで後輩の女の子が私達の教室へ顔を出す



「ユウー。そろそろ絞めてあげようか?」
「そうだよ。ユウ関係ないじゃんねぇ?」


友達やクラスメイトが心配して声を掛けてくれる
もはや慣れてしまった“振られた女子の嫌味”

『んー。別に?光に振られて私に怒りの矛先向けたいだけでしょー?』


だったら言わせていれば良い
それで彼女達の気が晴れて次の恋に進めるのならそれで良いではないか
適当に流して適当に頷いておけば別にへんないざこざは起こらない


『振られた理由を私にしたいだけなんだって。所詮』


光から真っ向から振られました―って言うより
あのユウ先輩が邪魔だから振られた。と言った方が周りからの同情も大きい



『うわ…そう考えたら私って後輩からの人望ない…』


ポツリ呟いて席を立った



今日も今日とて女の子の僻みを聞くべく盛大な溜め息を女の子に聞こえる程についてから席を立つ








   







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