「んー、回復したかな?」
3日程、桜泉に浸かりっぱなしだったおかげか、体調は良くなっていた
今日はもうハクを呼んでもいいかもしれない、と思っていた時だった
(………また来たわ)
母が来た後に、私の宮を訪れた者がいたのだ
≪宝華様、≫
≪………何か用かしら?私、休みたいのだけれど≫
≪全くつれないですねぇ、宝華様は≫
現れたのは、1人の男
勿論この場にいるのだから、神に連なる者である
≪………で、用件は?≫
≪ふふふ、宝華様に会いに来たのですよ≫
嫌な笑みを浮かべる男に、宝華は眉を寄せた
≪……疲れているから、帰ってくれるかしら?≫
≪おや、そうなのですか?
もう回復したと思っていたのですが……≫
≪あら、そうかしら?まだ身体がだるいのよ≫
苛つきを隠せない宝華だが、ポーカーフェイスを忘れない
適当に男をあしらっている
≪……そうですか、では今日はこれで失礼させていただきます
ふふふ、また会いに来ますので≫
独特の笑みを浮かべられ、宝華は溜め息をついた
≪ふふふ、では宝華様、失礼します≫
姿が消え気配も消えたのを確認した宝華は、ふぅ、と息をついた
≪………疲れたわ≫
全く、あの男が来ると余計に疲れるし…
はぁ、ハクを呼ぶの、止めようかしら?
気分的に疲れた宝華は、ぽちゃんと桜泉に身を沈めるのだった
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