私は死んだ
気付いたら真っ白な空間に存在していた
存在しているといっても意識があるだけで、本当に肉体があるわけではない
だって私は死んだのだから
私は真っ白な空間の中に、一際白く輝く扉があるコトにも気づいていたが、近寄らなかった
(あれは、新たな道……魂が新たな道を歩む為の、)
何人かがあそこに行くのを私は見ていた
そして悟った
(――あれは次の人生を歩むための扉
あそこへ行ったら、今の私は消えてしまう)
怖かったのだ
何よりも『私』という存在が消えるコトが
恐れた私は、この真っ白な空間に漂うコトしか出来なかった
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