マフタツ山に到着した私達は、ぞろぞろと飛行船から降りた


「一体……下はどうなっているんだ?」


一言で言うならば、断崖絶壁


(……てか、私ヤバいかも)


どくん、どくん、と胸が脈打つ


(私、高所恐怖症……!)


今更な事実に、私は溜め息をつきたくなった


「……ミライ、どうかしたのかい?」


私の異変に気付いたのか、ヒソカが話しかけてくる


「……ヒソカ、」


「何かあったのかい?」


「……私ね、高所恐怖症なの
ちょっと、ビックリして」


素直にそう言うと、なんとなく楽になった気がした

もちろん、念能力者だから死ぬわけじゃないのに……


「そうだったのかい?初めて聞いたよ」


「だって言う機会なんか、なかったし」


ヒソカと暮らしてた時に、高いところに行くなんてなかったし


「ミライにも、苦手なものあったんだねえ」


しみじみとそう言うヒソカは、にやりと笑う


「ありますから!人のこと何だと思ってんだから…」


「くくく、ごめんごめん
でもミライなら、空くらい飛べるだろう?」


「そうだけど……やっぱり怖いものは怖いのよ」


はぁ…と溜め息をつく


「ま、たぶん大丈夫だから

ヒソカ、行っていいよ」


目の前でツンツン黒髪少年らが飛び降りていたので、そう言う


「ホントに大丈夫かい?」


「いーから!ヒソカは行って」


心配されるのが、くすぐったい

ヒソカは心配そうにしながらも、軽々と崖を飛び降りるのだった





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