『ねぇ王牙、私の身体から何かが出てる気がするのだけど……』


王牙は珍しく意味不明なことを喋る凜を見て、固まった


『……人間はこんなこと出来るんだっけ?』


凜はコテン、と首を傾げた
それを見た王牙は、珍しく慌てたように叫んだ


『なぜ、チャクラが出ているッ!?』


『チャクラ?たしか、忍が使う力よね』


珍しく取り乱す王牙に対し、凜は冷静に話す

その姿を見た王牙は、ようやく冷静さを取り戻した


『……まずは、その力を抑えろ
疲れきるぞ』


『そう言われても、どうやって抑えるのよ』


食って掛かる凜だが、その顔には疲労の色が浮かんでいる

一瞬でそれに気付いた王牙は溜め息をつき、凜に告げた


『……おそらく、チャクラの溜めすぎだ

出しきってしまった方が良いだろうな
凜のチャクラも多い上、我のチャクラもあるからな』

身体の容量を越えたんだろうと告げられ、凜は問い返す


『私にチャクラがあったの?』


『当たり前だろうが…
お前は忍の子供だぞ』


深い溜め息と共に返ってきた返事に、凜は目を見開いた


『そうなの?』


『………そうか、凜が知るはずもないか…………』


思い出したように呟いた王牙に、凜は首を傾げることしか出来ない


『ともかく、お前はそのままだ
ま、死にはしないだろう』


『ちょっと、王牙!なによ他人事みたいに…』


物騒な言葉を吐かれた凜は叫んだ


『は、我にとっては他人事ぞ』


鼻で笑われ、凜は眉を顰めた


『……で、私は忍びの子供なの?ほんとに?』


チャクラのことは気にしないと決めたのか、凜はそう王牙に問いかけた


『………そうだ。お前は、火影の子供だ
----我を封印したな』


何とも言えない笑みを浮かべる王牙
彼女はその意味に気づいた


『……火影は、自分の子供に封印を………?』


王牙が頷くのが見え、凜は呟いた


『なんとも言えないわね……』


事実を知らされ凜は少しの間、思考に耽っていた
それを王牙は、ただただ見守っていた

暫くは考え込んでいた凜だったが、すぐに微笑みを浮かべ王牙に告げた


『……ふふふ、でも王牙に会えたしね』


良かったんじゃない?


あっけらかんに笑う凜
それに王牙は驚いた


「くくく、面白いなお前は」


愉しげな王牙の声を聞いた瞬間、凜は意識を闇に飛ばしたのだった








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