任務を受けたカカシは、森の眠り姫がいるといわれる木の葉の最南端の森に向かっていた


保護以前の問題に、どこに眠り姫がいるかが分からないのでカカシは犬のパックンを連れていた

今回の任務はツーマンセルだ


「カカシよ、今回の任務は何ともメルヘンじゃの」

パックンもそう感じたのかカカシにそう話しかける

カカシはその言葉に深く同意した

「ま、任務は任務だよ
ぱっぱと眠り姫を見つけて帰ろう」


「ああ」

1人と1匹は森の中を出来る限りのスピードで駆け抜けた

暫くすると、鬱蒼としていた森の景色が急に変わり、カカシが夢で見た綺麗で穏やかな森に入り込んでいた


「ここは……!」


「なんじゃカカシ、知っとるのか?」


「………まぁ」


カカシがそう呟いた瞬間、森の空気が変わった

穏やかな空気から一変し、恐ろしげな攻撃的な雰囲気に変化したのだ


1人と1匹は慌てずに臨戦体勢に入ると、隙無く辺りを見渡す


そこに響き渡る不思議な‘声’


『この森は姫の森……姫の許可なくば入る事を許されない森

許されざる者がここから先に入るという事は、命を捨てると同義
だが、今ならばまだ間に合う
――侵入者よ、早々に立ち去るがよい』


パックンは突然響き渡った声に驚きながらも、辺りの警戒を怠らない

カカシも視線を巡らすがあるのは空気の変わった森だけ


「カカシよ、どうする」


「……姫というのは十中八九、森の眠り姫のコト

……許可、か………」


頭を働かせるが、良い案は浮かばない


「これ以上森の中に入れば、危険じゃろうな

森の眠り姫…どうしたものか」


2人を沈黙が包み込む

周りではざわざわと森が唸り、2人を警戒しているのが分かる


……さて、どうするか
穏便に進めたかったんだが


思案するが良案が浮かばず、刻々と時間だけが過ぎる


「ま、行動するしかナイでしょ
……行くよ、パックン」


腹をくくったカカシはパックンを引き連れ、森の中へ一歩踏み出した

暫くは森が警戒するだけだったが、ある時カカシは気付いた


「パックン、同じだ」


「何がじゃ?」


「同じところをぐるぐる、回っている」


カカシの言葉にパックンは驚くが、すぐに頷いた


「……してカカシよ、どうする?」


「どうしよっか…はぁ、ホントめんどくさい」


盛大な溜め息をつくカカシ


「パックン、行くよ」

ここにいても仕方ないからね、とカカシは走り出す


「眠り姫ーーーーーーッ!!危害は加えないから、出てきてーーーーッ!!」

と叫びながら

パックンは後ろを走りながら、苦笑いを浮かべるのだった






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