「…………え?」
ポツンと1人、異国の地に佇む少女
辺りを見渡せば見知らぬ建物や、明らかに日本人ではないヨーロッパ系の人々がひしめき合う
少女は
混乱していた
キョロキョロと見渡せば外国だという事は理解できる
が、理解できるだけなのだ
人々が話す言葉が所々しか聞き取れず、英語だと頭が理解はする
心臓が
嫌な音をたてた
ふらぁりと一歩踏み出せば血液が全身に行き渡る感覚がする
その時、歩いていた1人の人間と肩がぶつかった
早口で何か言われたが理解出来ず「Sorry」と拙い英語で謝る事しか出来なかった
視界が歪む
少女の脳はこの状況を理解出来ないが、1つだけ分かった事がある
「…………ちがう」
そう、ここは違う場所
自分が生まれ育った、あの場所ではないのだ
歩く人々の服装を見ると、頭が1つの有り得ない結論を出した
………タイムスリップ
行き交う人々の視線を感じながら、少女は悟った
違う世界に飛ばされたのだと
行き交う人々の波に逆らう気力も無くなり、少女は波に身を任せた
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