楓と赤也が補習をした翌日

いつも通り楓が登校すると、元気よくともだちが話し掛けてくる


「おはよう楓!で、昨日はどうだったのよ?」

テニス部レギュラー切原赤也との補習はッ!

満面の笑みを浮かべるともだちに楓は苦笑いを返す


「別に、普通だったよ」


「えー、それだけ!?私、恋しちゃったみたい……とかっていうのはナシ?」


「ナシですから!ホントからかわないでよね!」


「なんだぁ、つまんないの」


楓の言葉に楓は内心慌てた

昨日の想いが頭にふ、と浮かんだからである


って違うから!別にそんなんじゃないし…切原君とは昨日初めて話したっていうのに……

好きになるなんて、気になるなんて有り得ない


「――私のコトはいいから、ともだちはどうなのよ?

誰か好きな人いないわけ?」


自分の席につきながらともだちに話をふる


「好きな人?いるわよ、勿論!」

言ってなかったっけ?と笑いながら告げた楓に苦笑いを返すと謝られた



「ごめんごめん!

でね私の好きな人、すっごく優しくてカッコいいの!私、一目惚れなのよねっ!」


「テンション高いわ、馬鹿」


ボソッと呟くがともだちは笑っている


「馬鹿でいーわよ、別に!だって私、あの人の事、大好きなんだもん!」


キラキラと輝く笑顔を見せるともだちに、見惚れた

ともだちったら幸せそう…ともだちの好きな人、羨ましいわ


「そっか……ホントに大好きなんだね
なら私もその恋、応援するねともだち!」


「ありがとー、大好きッ!」


はいはい、と適当に返事をする楓は切原赤也の事を考えていた

「ねぇともだち、テニス部レギュラーってやっぱりモテるよね……?」


それぞれファンクラブがあるくらいだし……

楓の当たり前の問いに、頭大丈夫?と失礼な事を言いながら答えるともだち


「当たり前でしょ、イケメン揃いのレギュラーなんだから

てゆうか、やっぱり恋したんじゃないの?」


「だから、なんでそっちにいくのよ……」


溜め息をついた楓にともだちは言う


「だって今までテニス部に見向きもしなかった楓が、切原赤也と補習した翌日、テニス部について聞くんだよ?

そう考えるしかないじゃん!」


う、確かにおかしいかも……


「でも、別に恋なんてしてないから……!」


「いっつも冷めてるっていうか悟ってる楓が、そこまで強く言うの、珍しいよね……?

やっぱり、恋したんじゃないの〜?」


ニヤニヤ笑って言う楓に返事を返そうとした瞬間、恒例の叫びが聞こえた


「「「「キャーーーッ!!切原君カッコいい!」」」」


切原君という叫びを聞き、楓はビクッ!と肩を揺らした


「相変わらず派手だねぇ…

まぁ顔が良いのは私も認めるけど、1番は性格だよね!」


「確かに……顔が良くても性格悪かったら、好きにはならないもんね」

しみじみと呟く楓にともだちは頷いた


「そうだよね!あの人ホントに性格良いからさぁ……」


ともだちの言葉に楓は納得した



「それで惚れたってわけか
で、相手は誰なの?」


ニヤニヤしながら聞くとともだちは照れながら呟いたのだった





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