「おはよー」


普通に登校し仲の良い友達に挨拶をする

これがいつもの日常


「おはよ楓

にしてもどうしたの?目の下ヤバいよ」


苦笑いしながら自分の席につき、その問いに答えた


「本読んでたらいつの間にか朝になっててさ…

おかげでこのザマよ」


平々凡々な私だが、本だけは大好きで暇な時はいつでも読書に勤しんでいる

まぁそのせいでこんな有り様だが、有意義に過ごせるので気にしてはいない


「あ、そうい」

「「「キャーーッ!!!!!!」」」


友達に話しかけようとした瞬間、廊下から甲高い叫びが聞こえた


「うわぁ、朝からあんなに叫んじゃって

ウチだったら絶対あんなのがいたらイヤんなるわ

そう思わない楓?」


「確かに……でも好きだから仕方無いんじゃない?

恋は盲目って言うし」


そう言うのと同時にその叫びの中心に居た人物が教室に入ってきた
テニス部レギュラーの切原赤也である


にこやかにそう言うと友達の楓は溜め息をついた


「……ホントにあんたは良い子だよねぇ
あんな騒がれたら普通はムカつくのに

流石我らの“お母さん”だね」


面白そうに“お母さん”と呼ぶともだちに溜め息をついた


「そのあだ名は止めてよね

私まだ中学生なのに……」


机に肘をのせいじける楓を見てともだちは笑っていた


「ごめんね。でもこのあだ名も定着したしさっ

楓といると落ち着くって言うか安心するって言うかさ

お母さんかお姉ちゃんとかと居る感じなんだよね」


「――ほめられてる、それ?」


ジトーと見つめる楓


「勿論じゃないっ
これは包容力があるって意味じゃんっ!

それにもう慣れたでしょ?」


「…そうだね……」


溜め息混じりに呟くと担任がHRの為に入ってきた


「おい、席につけー」


私は既に自分の席だったので姿勢を正すとHRなぞ聞かず、自分の世界に没頭した


頭の中でイロイロと考えていると、誰かに呼ばれた


「ちょっと楓!さっきからセンセに呼ばれてるよっ」


――ヤバい、あの顔は……まさに般若だ


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