ラッキーアイテムは君と共に


「これを着るのだよ!高尾!」


真ちゃんの家に着いて最初の一言目がそれだった


「へ?」


真ちゃんの手にあったのは、なんとセーラー服


あまりのことに呆然とする俺を余所に真ちゃんの部屋に連れて行かれた


「高尾、早く着るのだよ!」


いや、そんな自分が正しいです!みたいな顔して何言っちゃってんの?こいつ


「何で?」


原因は大体、予想できたけど一応聞いてみた


「おは朝なのだよ!」


そんな自信満々に言うな


「おは朝自重しろ」


「何か言ったか?高尾」


「な、何でもない」


小声で言っといて良かったー!!


「そうか?」


不思議そうにしてる真ちゃんにおは朝で何があたったのか聞くことにした


「真ちゃん、今日のおは朝は何だったの?」


「今日の蟹座はセーラー服だったのだよ」


「じゃあ真ちゃんが着ればいいじゃん」


「サイズが合わないのだよ。お前ぐらいなら入れそうなのを見つけたのだよ」


俺も一応平均身長より上なんですけど!


「つーか、何で俺なの?セーラー服なら着なくてもいいじゃん。着た人じゃないんだし」


俺の言葉にふっと笑いやがった


なにあれ、腹立つ


「だからお前は駄目なのだよ。着た方が運気がアップするだろう」


「だから俺が着なくていいじゃん」


「ついでに言うと俺がお前の着たところを見たいからなのだよ」


「…はぁ?」


今こいつなんて言った?俺が着たところを見たい…?


「ということで着ろ」


「何も纏まってないけど!?」


そんな文句も何とせず、俺にセーラー服の入った袋を押し付けて部屋から出て行った


「部屋の外で待っている。着替え終わったら教えるのだよ」


ドア越しに真ちゃんの声が聞こえる


こんなにあいつを殴りたいと思ったのは初めてだ!


湧き上がってくる怒りを抑えながらぜってー着替えないと出してもらえないよなと思いながら着替えることにした


渡された袋に入っていたセーラー服は黒を基調とした冬用の制服のようだ


襟に三本のラインが入っていてスカーフは赤


袖にもラインが入っている


どうやらカーディガンもあるようだ


あとはスカートかと思いながら袋を漁るとハイソックスかと思いきや出てきたのは二ーハイだった


えっ?真ちゃんマニアックwwwwwwと爆笑したが自分が履くと思うとテンションがガタ落ちした


はーっ、とりあえず着替えますか


着ていた服を脱ぎながらセーラー服に腕を通す


スカートも履き、あとは二ーハイだけかと思いながら真ちゃんに声をかける


「真ちゃーん!」


「何だ?」


「この二ーハイ履かないとd」


「駄目だ」


「…ちぇー、分かりましたよー」


そう言いながら二ーハイを履いて真ちゃんを呼んだ


「真ちゃん着たよ」


「そうか」


真ちゃんが部屋に入って来たが、俺は恥ずかしくてベッドにあったタオルケットで体を覆った


「む、見えないのだよ」


「だって…恥ずかしーんだもん」


「いいから、見せるのだよ」


真ちゃんに無理矢理タオルケットを奪われ、自分の恥ずかしい姿を晒してしまった


「っ!!/////」


「……」


「…な、何か言えよ///」


「か、可愛いのだよ」


真ちゃんが微笑みながら俺の方を見てくるので、もっと顔が赤くなったのを感じた


「そ、そう…?/////」


「あぁ、だから出掛けるぞ」


「え?」


真ちゃんに腕を引っ張られながら外に連れて行かれた


「ちょっ!真ちゃん!!」


周りの視線を気にしながら歩いていると真ちゃんに手を繋がれた


「危ないのだよ。ちゃんと前を見ろ」


「うぅ…はい」


そうして真ちゃんに注意されながら歩いていたけど、今ではこの状況が楽しくなってきていた


誰も俺が男と気付かないのか視線も気にならなくなった


そしてちゃっかりカチューシャは装着済みである


抜かりはないのだよ!


「真ちゃん」


真ちゃんの腕に抱き付きながら声をかける


「何だ?」


「何でもなーい」


くだらないやり取りを繰り返していた


宮地さんに見られたら轢かれそうな程のバカップル感を出していた


周りから小さい声だったがリア充爆発しろという声が聞こえたことに笑いを堪えるのに必死だった


プルプルと震えている俺を心配して何回も声をかけてきてくれた真ちゃんマジイケメン


「だ、大丈夫だよ!真ちゃん!」


元気そうに笑いを堪えながらだったが、俺の様子に納得した真ちゃんは頭を撫でてくれた


「えへへー」


真ちゃんに撫でてもらいながら抱き付いている腕にぎゅーと力を込めた


「高尾少し痛いのだよ」


「俺の愛の強さなのだよ」


「ならもっと力を込めろ」


「ふぇ?」


痛いのに力を込めろと言う真ちゃんがおかしいと思い首を傾げると


「痛さが愛の強さなのだろ?ならもっと強くしないと伝わらないのだよ」


笑いながら言ってくる真ちゃんがかっこよくて照れ隠しも込めて腕にもっと力を込めた


その日は一日中セーラー服を着たままだったけど、そのおかげで堂々と真ちゃんとイチャつけれたから結果オーライ


次の日に真ちゃんの携帯の待ち受けが俺のセーラー服姿になっていて口論になったことは後のお話


(もう女装はしないからね!)



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