この胸が高鳴るその意味は-緑高-


今日は真ちゃんの家にお泊りなのだよ

真ちゃんのご両親がペア旅行に当たったらしく

本当は真ちゃんも誘われたらしいんだけど

行かないの一点張りだったらしい

なんでそんなに頑なに拒んだんだか

そこで料理を始め家事全般が悲惨なほど不器用な真ちゃんに代わり

俺が料理など真ちゃんの世話を引き受けることにした

無理して大事な左手怪我したら俺が嫌だしね

なんだかんだで部活も終わり真ちゃんの家に来た

あらかじめ家に今日は泊まることを言っておいたため

お泊りセットもバッチリ

抜かりはないのだよ。なーんてな

真ちゃんの真似ばっかしてたら怒られちゃうからこれくらいにしてと


「お世話になりまーす!」


本当はお世話するのは俺なんだけどね

真ちゃんの家に入る前に真ちゃんに声をかける


「ふん、俺だけでも良かったんだがな」


そう小言を一つもらいながら家に上がりこむ


「細かいことは気にしないのー」

「そうだ!真ちゃん、まずは手洗いうがいしてね?」

「子供じゃないから分かっているのだよ!」


俺の発言にイラッとした真ちゃんはそう言い残して洗面所へ向かった

そう言いながら素直に行くんだから

全く、素直じゃないなー

そんな真ちゃんの後ろ姿を見ながら笑みを溢した

さ、俺も夕飯作んないと

台所へ向かい手洗いを済ませ、持ってきていたエプロンを身に付けた

妹ちゃんに選んでもらったもので

淡いオレンジに腰元近くのポケットから黒猫が覗いているデザインのものだった

妹ちゃんにならともかく男の俺にこれってどーなのよ

そう思いながら部活帰りに寄ったスーパーで買ったものを広げた

とりあえず簡単に作れるものってことで

オムライスにしたけどなー

真ちゃんも食材買ってるとき何も言わなかったし

ちゃんとオムライスでいい?って聞いたしな

考えても仕方ないしちゃっちゃっと作りますか

そう考えている間についでに着替えも済ましてきたのか

私服姿の真ちゃんがリビングに入って来た


「あっ、真ちゃん。今から作るからテレビでも見て待っててねー」


そう声をかけ、調理を開始した

調理し始めてから感じていたが後ろから視線を感じる

真ちゃんどんだけ見てんの

大人しくテレビ見ててくれよ

いや、何もしてないで見てるだけでも大人しいんだけどさ

その熱視線を画面へ向けてほしい

気付かない振りをしていたが、あまりにも見られているため気になった

聞こうとしたときには真ちゃんが直ぐ後ろに来ていたため遮られた


「真ちゃん?どうしたn、わっ!」


いきなり抱きしめてきたため驚いた

あっぶねー…包丁持ってなくて良かった

一息ついて俺の背中にひっついてる真ちゃんに聞いた


「真ちゃん?どったのー?急に抱きしめてきて」


そう聞くと真ちゃんから予想もしない答えが返ってきた


「エプロン姿で台所にいるお前を見ていると結婚した気分になったのだよ」


…はっ?え?ちょっ、今真ちゃん何て言った?結婚?

俺の耳が変になったと思いもう一度聞き返した


「へ?真ちゃん、今、何て言った…?」

「だから、お前が台所にエプロン姿でいるのが結婚したようだと言ったのだよ」

「…えっ?な、何言って…」

「高尾」


ちょっ、何、腰触って…真ちゃんの触り方エロいんですけど!


「ひゃっ!あっ、ちょっ、しんちゃっ…今は、駄目だってっ」


腰に回っている真ちゃんの腕を掴みながらやめてと訴えた


「む」

「まだ、料理中だから、ね?」


真ちゃんの顔を後ろ向きにだが見上げながら言うと

離す気になったのか俺の腰に回っていた腕が緩んだ

それにホッとしたのも束の間、その体勢のまま顎を固定されキスをされた


「んんっ!?」


びっくりしたため思わず声をあげたが真ちゃんの唇に吸い込まれた


「んっ、もうっ急にしないでよ」


後ろにいる真ちゃんに頬を膨らましながら怒った

今のはちょっと自分ではないなーと思ったけど

そんな様子の俺に真ちゃんは微笑みながら


「まだできないのか?」


と俺の頭に顎を乗っけながら聞いてきた

甘えているみたいだが、俺としては複雑な気分である


「もう少しだから待ってて。はい真ちゃん、あーん」


調理中のチキンライスを味見と思い真ちゃんの口元へ持っていった

黙って口を開けてくれたためそのまま口の中へ入れてあげた


「おいしい…?」


少しだけど恐る恐る聞いてみた


「あぁ。上手いのだよ」


微笑みながら言ってくれたことに不覚にもときめいてしまった

ふにゃあっ、何だよっ!今の笑顔…


「もう、真ちゃん、大、好き…」


小さい声だったはずが真ちゃんには聞こえていたようで


「ふっ、俺も好きなのだよ。高尾」


そう言いながら俺を見て微笑んでくる真ちゃんはそれはもうかっこよかったですとも


「わ、分かったからっ、真ちゃんはリビングで、待っててっ」

「おい、押すなっ。高尾」


グイグイと真ちゃんの背中を押しながら


「お汁粉も作ってあげるから大人しくしててっ!」


そう言うと妥協したのか大人しくソファに座っていた

時々こっちを見ていたが気付かない振りをして料理を続けた

その後夕飯を食べる時も真ちゃんのデレは止まらず

食後のお汁粉タイムでも俺を脚の間に座らせたまま離さなかった

そんな真ちゃんのデレ全てに対応できない俺は

ベッドに入ってからもそんな真ちゃんに悩まされた

まじ本当離してほしい…

真ちゃんの腕に抱き締められながらなかなか寝付けない俺を余所に

すやすやと寝息を立てる真ちゃんに

明日は覚えてろよ!と照れ隠しを含めながら

俺は宣戦布告をした

そんな明日も真ちゃんのデレにまた悩まされることを俺はまだ知らない


[あなたを思う好きという気持ち]



↓あとがき

第二位の緑高です
甘々にしました。そして真ちゃんのツンがミスディレしました
高尾ちゃんにはHSに対応できずデレ全開な真ちゃんに振り回されてもらいました
真ちゃんのデレがなくなったら、ただの男前ですよね
そんな男前真ちゃんに迫られ慌てる高尾ちゃん。書いてて楽しかったです
前回の実高が上手くいかなかったため緑高で挽回させて頂きました!一応です
あと私がrealで呟いていた萌えシチュのあーんを入れさせて頂きました
身長差からの上目遣いであーんをする高尾ちゃんが可愛いため今回使わせて頂いた次第です
さぁ、残すは宮高です!どんな展開にするか楽しみです

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