あの橙を掴むのは‐実高‐


あの子に出会ったのは高校2年のWC準決勝戦

対戦校であるあの子が私にぶつかって来たとき

必死な顔で私を止めようとする顔

私がわざとぶつかるように仕向けたことに気付かず

ぶつかり悔しそうな顔をするあの子に

私は思わず可愛いと思ってしまった

もちろんそのときは誤魔化したけれど

目を付けたことは本当

まずはお近づきにならないとね

私達に負けてもなおその姿は輝かしいあの子のチーム秀徳高校は

体育館を後にして行った

そのときに見たあの子の顔は泣いていた

コートの中では闘志を燃やしていたあの橙の目を閉じ

静かに泣いていた

その姿を見た私は征ちゃんが呼びとめるのも聞かずに走りだしていた

今出ていったならまだ近くにいるはず

そう思いながらあの子を探した

…いたっ!

探してから直ぐに見つかった

周りにはあの緑の彼も見当たらず1人でいるようだった


「高尾ちゃん」


その小さく縮こまる背中に話しかけると肩がビクッと震えた

その様子も可愛いと思いながら肩に手をかけた

振り向かせたあの子は予想していた通りまだ泣いていた


「っ!あんたっ、なんでここに!」


私の顔を見ながら驚愕した顔を見せたあと睨みつけてきた

その顔も素敵だわ


「あなたが泣いているのが見えて思わず駆けだしちゃったの」

「…は?」


理解ができないという顔をしているのを見て私は微笑んだ


「あなたの泣く顔が可愛くて追いかけて来ちゃったわ」

「…趣味、悪っ」


苦々しい顔をして私のをことを睨みつけながら言葉を零した


「そうかしら?可愛いものを愛でるのはだめかしら?」

「…普通、男に言うもんじゃ、ないし」


目を腫らしたままそう言ってくるが

その顔で睨みつけられても加虐心を煽るだけ


「ふふっ、いいじゃない。私あなたのこと気に入っちゃったんだもの」

「へ?」


私が言った発言にポカンとする彼を引き起こし近くの部屋に押し込め鍵を閉めた


「ちょっ!なにすんd…っ」

「静かにしてちょうだい。見つかると面倒でしょ?邪魔が入るし」

「ひゃあっ、どこ、触って、んっ!」


やっぱり可愛いわこのまま頂いてもいいわよね


「可愛いわー、和ちゃん。ほらこっち向いて?」


和ちゃんの顎に手を添え上を向かる


「いやっ、やだ、やだ…しん、ちゃん」

「私といるときに他の男の名前を出しちゃだめよ?そんなこと言うなら塞いじゃいましょっ」

「んんっ!ん、ふぅ…あっ、んっ」


可愛い。怯えて縮こまっちゃって。本当、このまま食べちゃいたい

後頭部に手を回し、奥で縮こまっている舌を絡ませて口付けを深いものにする


「んっ!ふぁ…んんっ、んぅ…んんっ!」

「はぁっ、気持ちよかった?和ちゃん」

「はぁ、はぁっ、ふざけん、なっ」


息切れを起こしながらまだ強気に反抗してくる彼が可愛くてもっと彼が欲しくなった


「和ちゃん、洛山に来ない?」

「はぁ?何、言って、んの…?」

「秀徳も強いと思うわ。でも洛山に来ればもっと強くなれるわよ?」


洛山に来てくれたら一番喜ぶのは私なんだけどね


「…そんなん、断るにきまってるじゃん」

「そう?」

「俺真ちゃんの相棒やめる気ないし、このまま秀徳で今度は優勝を狙うって決めてんだ。それに負かされた学校に行くわけないし」


残念ね。こうなったら無理やりにでも連れてくしかないかしら


「そう…残念ね。こうなったら力づくで連れてくしかないようね」

「できると思ってんの?」

「ええ。それに征ちゃんに任せればすぐにでもできるわよ?」

「くそっ…反則過ぎだろ」

「卑怯でも何でもするわよ?それで和ちゃんが手に入るなら」

「っ!」


そのときドアを叩く音が聞こえた

おそらく和ちゃんがなかなか帰って来ないから探しに来たようね


「高尾!いるのか!?高尾!!」

「しん、ちゃん…?真ちゃんだ…ここにいるよ!俺!」


そう言いながらドアの近くへ行き鍵を開けた

その瞬間和ちゃんを自分の方へ引き寄せもう一度キスをした


「んっ!んんっ、やぁ…ふぁ…」


私達がキスしているところを見た和ちゃんの相棒である彼は

私を睨みつけていた


「貴様…高尾を離せ!」


私から和ちゃんを奪い背に隠した


「しん、ちゃん…俺」


和ちゃんは彼の服をぎゅっと握りしめこちらの様子を窺っていた


「ふふっ…今回はここまでね。でも私諦めないからね、和ちゃん?」


そう言いながら和ちゃんへ微笑みを向け

和ちゃんを庇っている彼の耳元で


「しっかり捕まえとかないと攫っちゃうわよ」


と囁いて、征ちゃんの元へ戻った

後ろから視線と「何言われたの!?真ちゃん!」と言う和ちゃんの声が聞こえた

まぁ、今はあなたに譲ってあげるわ

でも今度会ったときは容赦なく奪うわよ

待っててね、和ちゃん


[帰ってくるのは私の腕の中]




↓あとがき

赤高と同位である3位実高です
正直言うと項目に加えたけど、レオ姐さんの喋り方掴めてないことに気付きました
そして苦し紛れで書いた結果これです
なんか不完全燃焼です
実高のはずなのに緑→(←)高←実な関係になってしまいました
いつの間にか路線が変わっているのは私がいつもやらかすだめなとこです
とりあえず設定は秀徳高尾ちゃんに迫るレオ姐にしました
高尾ちゃんにHSなところはありません
レオ姐に迫られて嫌悪感丸出しで対応してもらいました
まぁキスされちゃいましたけどね
本当はセクハラだけで済ませようと思ったのに・・・
こんな感じのグダグダな実高になってしまいました
本当に申し訳ないです
緑高で挽回を目指します!

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