永遠の契りを交わそう-赤高-


中学最後の試合のとき俺達帝光とあたった対戦校に彼はいた

試合結果は勿論、俺達帝光が勝った


「あーやっと終わったかー」

「やっぱ、俺達が勝ったっスね」

「当然なのだよ」

「腹減ったしー」

「……」

「お前達、無駄口を叩くな」


そう言いながら退場する俺達へ視線を向けている人物がいた

それが彼、高尾和成だった

対戦校のキャプテンだった彼は

彼のチームメイトがやる気を失くしている中

最後まで俺達に果敢に攻めてきた

そんな彼から発せられるその視線には

憎しみと悔しさが込められていた

そんな彼に俺は魅せられた

そのきれいに光を反射する橙から

なんて強い力を感じられるんだ

そう思いながら、俺は彼を手に入れることにした

あの試合が終わってから数週間して

また彼を見つけることができた

相変わらず俺達を見る目は変わらず

もっと彼が欲しくなった

そこで俺は彼に話しかけた


「高尾和成君だね」


彼は俺に話しかけられたことに一瞬驚いたが

次にはもう俺のことを睨みつけていた


「だったら、何?」

「いや、俺達に敗北を植えつけられた君に興味が湧いたんだ」

「はぁ?俺達のこと負かせといて何言ってんの?」


彼の怒りがひしひしと感じられた


「そこでなんだが、俺達は進学する高校が全員違うんだ。俺は京都の洛山に行く」

「…だから、何?」

「俺と一緒に他のキセキを倒す気持ちはないかい?」

「はっ?何、言ってんのお前…お前もキセキの一人だろ?」

「そうだが、君が一番倒したい相手は誰だい?」


そのとき分かっていた

彼が一番憎んでいる相手

それは


「…緑間」


やはりな

俺達を見る中で一番、緑間を見る視線が強かった

大方、あの3Pを打った後が気に入らないのだろう

打った後にあいつはゴールに入るところを見ないからな

もう一つは精神的に苦痛を浴びたろうな

あいつの打ったシュートの滞空時間はいつも思うが相手が気の毒だ

得点しても得点してもあのシュートで地に落とされるのだから


「そうか。だったらその緑間を倒すのに俺と一緒に洛山に来ないか?」

「…お前と一緒に行けば、あいつに勝てるのか?」

「必ず、勝利を与えよう」


このとき俺は思った

彼は必ず落ちる


「ふっ、偉そうな言い方…でも、そんなお前となら、本当に勝てるかもな」

「一緒に来るかい?和成」

「もう名前呼びかよ…まぁ、よろしくな。赤司」


そう言って彼は僕の手を取った

やっと手に入れることができた





「征ちゃーん?どったのー?」

「いや、何でもないよ。和成。ただ昔のことを思い出していただけだ」

「昔のこと?それっていつ?」


僕の腕の中から顔を覗き込むように聞いてきた


「和成と出会ったときの話だよ」

「あーあのときね。あのときの征ちゃん俺って言ってたよね」


そう言いながら僕の方へすり寄ってきた

そんな和成の頬に手を当て


「俺の方がいいかい?和成」


和成の目を見つめながら聞いた


「ううん。僕って言ってる征ちゃんもどんな征ちゃんでもだーい好きだよ」


妖艶な笑みを浮かべながら僕の手へ頬擦りをする


「あぁ。僕も愛してるよ。和成」


耳元で囁き和成の唇を塞いだ


「んんっ、あっ…せい、ちゃん…んっ」


愛しい和成

もう離さないよ

せっかく捕えた和成を離すなんて絶対にない

和成が僕から逃げようとしても無駄だよ

もうお前は僕のものだ…永遠に


[もう逃げられない]




↓あとがきです

リクエスト企画3位の赤高です
秀徳高尾ではなく、洛山高尾にしました
洛山に行くと高尾ちゃんは色気3割増しだと思います
そして最初は赤→高だったのに、最終的には赤高の互いに依存している関係を目指しました
お互いに陶酔し合ってる感じが伝わったでしょうか?
そう見えているといいです
初めて赤司様単体で書きました。(いつもはキセキ全員集合なので)
赤高を書くなら一度は書きたかった洛山高尾ネタ
実現できて良かったです
これを機に赤高を書くのに目覚めてしまったようです
書いてて楽しかったですし
色気高尾ちゃんとか書かないので、良い経験でした
あと真ちゃんにはごめんなさい・・・高尾ちゃんに嫌われ役になってもらいました
本当にすみません。真ちゃんのこと嫌いじゃないんだよ?でも赤司様だから(笑)
こんな感じの赤高になってしまいましたが、気に入って頂けると嬉しいです

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