「っどういうことだ!? 俺達アクマを狩る側の人間があろうことかアクマを体内に取り込んだ人間を使用するだなんて!」

以前、神田ともう一人が被験者となっていたセカンドの要領に、先日の卵騒動でわずかながらにも手に入れた卵の破片によって半アクマとなった人間、鴉の連中はそれでも尊敬を疑わなかった。忠誠心も行き過ぎると問題だ。

任務の片手間に北米支部まで寄り、支部長であるレニー・エプスタインに怒鳴るが、彼女は慣れた様子で俺の愚痴を受け流していた。正に豆腐にかすがい、ぬかに釘って奴で、俺も次第に怒る気が失せてきた。

「……随分と長生きしてきたが、ここまで馬鹿になれるとは思ってなかった」

言い残して踵を返したが、そのとき彼女は何故か有り得ないほどの優しい声音で俺に提案を持ちかけた。

「これから第三エクソシストについての班長会議があるのだけれど、貴方も参加するかしら?」

  
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