世の中には理不尽なことばかりだから
夢を視た。見慣れない殺風景な星、そこに浮く一つの機体。その中に居たのは明らかに男だったけれど、その人は絶対にMIXだと直感で分かった。そう遠くも無い未来の話。

絶対に、絶対にそんなこと、



「させるかぁぁッ!」
「ひゃっ、紫苑!」
「…やっと起きたか」



中庭の椅子で寝ていたらしい。近くに居たスズシロ兄妹は何か良い雰囲気を感じたが、私がちょっかいを出すようなでも無いだろう。詳しく聞きたいけれども。

起き上がると同時に、アブダクターの襲来を告げるサイレンが鳴り響く。二人が向いた方向に、アブダクターのものと思われる光が点滅している。



「……?」



嫌な予感がする。空に光る三つの光は、あたかも私を目指すように真っ直ぐこちらに向かっていた。
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