不気味な現実
「ミコノさん…」
「よかったな。ま、お前の力じゃねーけど」



偶然通りかかった時に見たのは、先日の墓穴特訓の際に現れたカグラを庇って謹慎処分を受けたミコノちゃんと、慰めに来たユノハを視姦してニヤニヤしているアマタとアンディとジン君だった。ストーカーか。ついでに私も仲間に入れてくれとアンディが掘った穴に入ると、本当に残念な奴だなと彼は私を見て溜息を吐いた。残念って。

それにしてもシュシュも可愛ええなぁと眺めていると、ミコノちゃんがアマタ君はシュシュに嫌われているという旨の発言をしたところで当の本人は深く落ち込んだ様子を見せる。



「今にして思えば俺、最初に出会ったときからシュシュには嫌われてて、それってもしかして、俺はミコノさんに相応しくないってことなのかな…」
「ま、そうかもしれないな。言うなれば運命っていう奴だ。俺とMIXが穴で結ばれた運命のように…!」
「キモッ」
「泣きっ面に蜂とはこのことか…」
「…えらく辛辣だな、まあいいさ本当のことなんだから! お前はシュシュに嫌われ、あの狼野郎にも恋の勝負で負ける運命だった…! なーんてな」



ありえるから対応に困る。ずーんと背後に黒雲を背負ったアマタはその後も何かを考えている様子だった。
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