嵐の前の愛すべき静けさ
御機嫌よう紫苑です。不動からの突然の指令、その名も墓穴特訓という謎の行程(皆シリアスにしていたので笑い出しそうになった)を経て私達は更に強くなった! ……らしい。

そう、皆のエレメント能力が成長しているのに比べて、私の絶対予知能力は、その性質からか特に何にもなっていない。いっそのこと音ゲーのように選択肢とかが現れたりしたらいいのに。


「しっかもみぃんないちゃいちゃいちゃいちゃ! リア充なのか!」
「……仕方ないだろうね。因みに鈴祓に相手は居ないのかい?」
「え、モロイ君今までの私の話ちゃんと理解してた? 居たらこんなことべらべら喋って無いって」



私と噂の美男子モロイ君は絶賛お喋り中であった。取り巻きの娘達も私相手では敵わないと踏んだのか(これでも客観的には大和撫子なんだぜ)散るように去っていた。どうやらモロイ君もちょっと辟易していたようで、私が現れるとほっとしたように笑った。

……それにしてもイケメンだ。
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