ハリポタでアルビノ天才男主 (9/19)
かの有名なハリーポッターが今年入学するらしいと専ら噂のそれはどうやら本当らしい。英雄伝には興味の無い俺でさえも気になってはいたのだが、大した人物では無いらしいと評価を下す。人を見た目で判断する奴は大概碌でもない。

目の前の怯える少年を見てクリスは溜息を吐いた。今年で十七になるがこの白い髪に赤目という弱弱しさを漂わせる風貌は一向に変わらないのが悩みだった。アルビノ、先天性白皮症だと診断されているが魔法使いであればそれも苦にはならない。マグル界で特定疾患に指定されている難病でもここではほぼ全ての対抗薬が作られているからだが、そんなこととは裏腹に差別は無くならないのが実体だ。何とも非情な世の中だろうか。

「俺は名前・名字。六年生でグリフィンドールの監督生だ。よろしく、少年」
「この人、パーシーが自慢気に言ってた、十年に一度の天才なんだって!」

ウィーズリー家の末息子が興奮した様に言う言葉ににこりと笑う。おだてられて気分の良くない者は余程精神が捻じ曲がっているか、それとも気付かない阿呆かのどちらかだ。

人には三種類存在する、天才秀才凡人の三つ。これは周知の事実なので彼も公言して言うが、残念ながら名前は天才の部類に入る人間だった。アルビノで天才とか厨二病乙とか思っているかもしれないが自身も辟易している。お陰様で授業を聞けば復習なんてしなくとも首位は取れるのでその点は有り難いが神様が本当に居られるとするならば、何故運動神経だけは紙屑以下なのかと少々一時間位問い質したいのだが。

名前は先程綺麗に蝶結びになっていた赤い布を解きもう一度結びなおすように魔法を掛けると、酷く面倒臭そうに重い溜息を吐き二人に背を向けた。
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