丸井のテストがどうだったかは察して欲しい。俺の口からは言えない。中一で挫折するのは早すぎやしないか。九月、授業が始まって数日経ったある日、部室に居ない丸井を不自然に思った真田に説明すると、真田はいつも通り起こっている顔、その場で聞いていた蓮二は若干笑っているような表情を見せた。 「ふむ、それで今日は丸井が居ないのか。補修とは、たるんどる!」 「まあ、人には向き不向きがあるからね。俺も君も、人のことをは言えないよ」 「精市は人間関係だな。…そういえば、お前告白された回数が十回を超えたらしいじゃないか」 「(何故知ってるんだ…)」 さらりと言ってのけるところが恐ろしい。蓮二、お前のそのノートには何が書いてあるんだ… まあ、何回されたって俺の心は揺らがないけど。 |