試合をしなかったからか、決勝戦だという自覚はそれほど無い。

決勝の試合順は今までと違って変則になる。シングルスとダブルスを交互にやるらしいが、それに際して先輩が言ったのは、幸村は決勝のオーダーだけS2だということだった。あれか、全国大会でお披露目したいのか。ああそういえば、全国大会の歴々の学校の中には青学の名前は無かったな。手塚程のプレイヤーが居ながら全国まで来ることが出来ないのか……

ぼんやりと考えていると、錦先輩は俺達を見回して円陣を組もうよ、と隣に居た俺の肩を引き寄せる。驚いて見上げると、先輩はにっこりと笑った。それに倣って全員が肩を組むとかなりの大円になって圧巻だ。



「今日はいよいよ決勝だ。今まで我々立海は快勝しているからとは言え油断は禁物だ。レギュラー陣を始め、全員で一丸となって頑張ろう。…常勝、」

「「「立海!」」」



ようやく、全国一になれるのか。
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