「……大丈夫?」



一応俺がやったことだし、と俺は地面に這い蹲っている菊丸君に手を伸ばした。大石君は見てられない、と言うように首を振っていた。



「大丈夫大丈夫! こんくらいでへばってたらレギュラーへの道は遠いもんね!」



菊丸君は俺の手を取らずに、自分で起き上がった。中々の威勢の良さ。真田然り、こういう子は結構好きだ。

それに、面白いじゃないか。



「ふーん……」



羨ましいとか思わなくもないが、どちらかと言うと俺は、同年代の少年達のことを精神年齢的に上から見ざるを得ないときがある。

俺は別にそういう人ではないけれど、自分を追いかけてくる子供達の姿は可愛いものだ。
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