それからはそれなりに忙しい日々だった。毎日毎日練習や試合があったりして、疲れて帰っては夕飯を食べて宿題やって寝るというルーティンワークを繰り返すこと幾月か。俺達は皆とも仲良くなって、中学生活をエンジョイしていた。

そんなある日のことである。日曜日には大抵他校との練習試合が入っている。今日の相手は青春学園だと先輩に言われて、何かひっかかるものはあったものの気にせずにいたところ、やってきた相手の方々の中に、俺は見覚えのある姿を見た。



「あ、あれ手塚君じゃないか」



指は指さずにそれとなく示すと、真田も見つけたようで若干興奮したような声を出した。有名なレギュラージャージは着ていないけれど、準レギュラーらしき真っ青のジャージを着ている。

あちらも俺達に気が付いたようで、手塚君は近づいてきた。先輩達の話は長くなるようなので丁度良い。



「手塚君って青学だったんだね」

「ああ。お前達は立海か」



しばらく世間話のようなものをして別れた。世間話というか、「青学はどう?」とかそういう類だけど。楽しくやってるのなら何よりだ。転校するなら青学に行こう。

最後に手塚君老けたね、と言おうと思ったけど流石に良心が咎めて、俺は冷や汗をかきつつも手を振った。
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