先輩達は夏の大会が終わると引退になる。上へ上がるだけなので引退もクソも無いが、そういうシステムなので仕方が無い。良きことにもレギュラーとなりうる人材は二年にも一年にも山ほど居るので(蓮二情報)、次の大会、即ち新人戦でも負ける気は無い。

長かった夏休みも終わり、九月になった。始まってしまったものは仕様が無いけれど夏休みが恋しい。そうぼんやり考えながら登校していると偶然にもジャッカルの背中が見えたので突撃してみた。



「ジャッカル! 奇遇だね、いつもこんなに早いの?」

「お、幸村か。今日は俺日直なんだよ」



ジャッカルって優しそうだから日直の仕事も全部押し付けられそうだよね。

流石に言わなかったが、どうやら彼は俺の言わんとしたことが何となく察せられたようで苦笑いしていた。言いたいことをそのまま言わなかっただけ俺は進歩したと思う。
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