優勝旗を受け取ると、立海が占めている方の客席は歓声が沸き起こった。旗を持って振り返ると先輩も嬉しそうだった。それにあの真田でさえもちょっと嬉しそうだったから、まあ俺は試合できなかったけどこれでよかった……のか?



「こ、これちょっと触ってみてもいいっすか?」

「触るってか持ってみなよ、ほら」

「…うわ、重っ!」

「えー、赤也鍛え方が足りないんじゃないの?」



赤也も目を輝かせて寄ってきたので優勝旗を渡すと、案外重かったらしくふらふらとよろめいていた。もういいですと押し付けてきたので、俺もしょうがないなぁと受け取ろうとした。どうやら俺にそれを渡すために腕を上げようとするのにも一苦労のようだ。でもこの優勝旗、そんなに重かったかな?
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