立海は何故か、中二の五月に一般的に言う卒業旅行に値する三泊四日の研修旅行に行く。何故なのかは分からないが昔からそうなっているらしい。そして毎年行く場所も決まっていた。

二年で同じクラスになった丸井と蓮二でグループを組んだ。何事も蓮二が居れば大丈夫だろ。



「関西研修旅行かー。楽しみだけど、テニス鈍っちゃいそうだね」

「…いや幸村君は絶対そんなこと無いだろィ」

「ああ、どうやら三日目は丸々六時間程自由行動出来るみたいだぞ。…そういえば」



この日付、大阪の府大会が開催されている頃合だな。そんな蓮二の何気ない呟きと、大体名所は見回りすぎて飽き飽きした俺ら三人の心情によって、何故か府大会の行われている会場に来ていた。ラケバ持ってないから俺ら浮きまくりだ。

その一角、一つのコートでは、他に類を見ないほどに盛り上がっている。



「…あそこ、どこの試合だろうね」

「俺のデータから察するにおそらく、四天宝寺中と藍阪中の試合だろう。だが一般的に、全国レベルの学校は府大会ではレギュラーは温存させておく傾向が強いからな。少し見てみるか」

「柳のノートって一体何が書いてあるんだよィ…」
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