部屋に案内された俺達はユニフォームに着替えた後、早速試合をすることになった。練習試合の形式なので、事前に決めてあったオーダーを跡部君に渡す。予想通りなのかは分からないけれど、跡部君はオーダーを一見した後フン、と対したこと無さそうにその紙を机の上に置く。

その後氷帝のオーダーも貰ったのだけれど、いやはや聞いたことある名前がずらりと並んでいたので思わず息を呑んだ。生であの人達の試合が見れるのか…!

「まあS1が跡部君なんは予想通りやけど、まさかS3で侑士君とはなぁ……忍足同士負けてられんな謙也くん」
「せや、アイツより俺の方がテニス上手いんやっちゅーことを今日こそ分からせたるわ!」

月刊プロテニスの中学特集を見る限りでは、流石侑士君と言うべきか既に千の技を持つ男という異名が付けられていた。いやぁ痛いね! 俺も俺で聖書と書いてバイブルと読む感じですけど彼も中々の異名っぷりだ。それでいて本当に千の技を持っているのだから驚きだけど。

「蔵リンのお友達はみぃんなイケメンやねぇ」
「浮気か死なすど!」
「類は友を呼ぶんですかね…」
「さ、さっさと準備せえやお前ら!」