う (1/3)
今日も総悟の代わりに市中見回りに出たらまたやいのやいのと外野が煩い。いや姦しいのか? 兎も角その変わらぬざわめきに溜息を吐くと、隣の山崎は呆れたように俺に視線を遣る。

「何うるせえなとか思ってるんですか。顔は良いんだから騒がれるのは当たり前じゃないですかぁもー。さりげなく自慢しないでくださいよ」
「違ェしかも自慢してねえし。というかこれで顔悪かったら俺ただの荒くれ者じゃねえかよふざけんな」
「イケメンだって自覚はしてるんですね」

だって前世は不細工だったから仕様が無いじゃないかよおおお流石に自覚しとるわ阿呆!

そんな俺の心の叫びはいざ知らず、はいはいイケメンはいいですねえと俺の先を行く山崎を追って走っていると突然背後から女性の声に呼び止められた。

「副長さん、ちょいと」
「(えっ土方さんっじゃなくて副長修羅場ですか修羅場!)」
「(そんなんじゃねーよ多分!)」

それを聞いた山崎は真っ先に振り返って目線で訴えるがいやもう正直そんな覚えなんて無いので何かしたのかと女性の声の方を向く。