俺はそれとなく聞くなんて細々しいことはできないので、ダブルスの練習をした帰り、財前に直球で聞いた。普通こういうのは小春の役目なんやけどなー、と内心遠い目で見つつ。 「財前、白石が困っとるで」 「……謙也さんには関係ないっすわ」 それは淡々と見えたが、財前はひどく怯えているようだった……勘だけど。 「ま、反抗期かなんか知らんけどー」 「俺は子供やないっちゅーねん」 「まだまだ子供やって」 いつもは生意気なこいつも、白石を困らせていると聞いてまで“反抗期”を続けようとは思わないだろう。 だって白石だしな。 |