冬休み、といっても府立の中高一貫校、それに笑い重視とはいえども一応頭が良い学校なので、授業がちゃらんぽらんな割りに宿題が山ほど出る。しかしながら謙也くんと俺は部活で忙しいので、その間を縫って各宅で勉強会(お二人様)を開いているのである。といってもやはり勉強ばかりでは飽きるので、いつもは駄弁ったりゲームしたりしているのだが、俺は今スマホをガン見している。



「あけおめメールってすべきなん謙也くん…?」

「いやいや、そりゃ白石なぁ……」



最近ようやくスマホを買ってもらった。ちなみに初携帯だ。前世ではツールとしてメールか電話しか使わなかったけれど、今世では立派な現代人になってやる! と決意したのは二週間前の話。皆からアドレスを貰うのに苦労したのは良い思い出だ。

まあそんなこんなで謙也くんには「白石がスマホ、だと…?」と言われてショックを受けつつも、それは俺の生活に徐々に馴染んでいった。

しかし、だが。スマホ云々以前に、俺は現代っ子ではなかったのである(´・ω・`)

横文字が分からないって何事だ。そもそもメルアド貰うだけで緊張するって俺チキンすぎるだろ……



「でも、零時きっかりって電波届かないってよく言うやろ」



俺は首を傾げた。よく大晦日周辺にニュースで聞くが、やはり電話とかメールとか届かないのだろうか。それだったら意味無くないか。

言うと、謙也くんはそれだったら、と両手をぱんと打った。これは良いことを思いついた、と閃いたときの目だ。



「やったら大晦日、一緒に神社お参り行かへん?」
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